第22話 振り出しに戻った
4日から、今回の件に関して所管機関に提出する申立書を書いていた。
書いている途中は、次から次へと記憶が蘇ってタイピングが止まらず、まるで以前仕事をしていた時のような感覚になっていたのだけれど
今日はここまでにしておこうとPCを閉じても頭がオフにならなかった。
ずっと脳裏に蘇り続けてしまう。こう言っておけばよかった。次XXさんに会ったらこう言い返したいetc
そして、この先彼らと会うことはおそらくないこと、この先の出口も見えないことに思い至っては辛くなる。
頭を切り変えようとカフェで本を読んでも、バックグラウンドで考えつづけているのか、唐突に”あの出来事も申立書に書かなきゃ”と思い出す。
夜もそんな感じで、従来の睡眠薬の量では眠れなくなった。
翌日読み返すと、ちゃんと書けていると思っていた文面が日本語としておかしかったりもした。
そうして書いた申立書を昨日投函した。
部屋は荒れたし、頭はぐちゃぐちゃだし、浮かぶ考えは真暗で、睡眠薬も倍の量が必要になった。
それでも、この件に関して私がやれることはしばらくはない。
また、一歩一歩、戻していかなきゃ。
タイトルを「振り出しに戻った」にしたけれど、考えてみたら、「せめて振り出しまで戻らないと」が正しいのかもしれない。
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