第21話 見つからないもの、見つけたもの

見つからないもの:今年の抱負

大晦日に部屋を片付けていて、2023年の年始にやった占いの結果を見つけた。後半は絶好調で金銭的にも恵まれる云々。

実際には、退職勧奨からの休職。占いを妄信している訳ではないけれど、あまりにも真逆で笑ってしまった。

けれど、では、どんな一年にしたいのか。今年の抱負は、と考えても何も浮かばない。願っても頑張っても叶わなかった。その現実を前にして、もう一度何かを願うのはしんどい。何も浮かばない。ただ一つ思うのは、今以上に悪い事態にならないで欲しい。


見つけたもの:私にも出来ること

正月、実家に帰省した。父親が嬉しそうに『今年、お父さん古希なんだ』とアピールしてきた。『この後、喜寿、傘寿、米寿と数年ごとに節目が来るけれど、毎回ではなく、一回にまとめてくれていいからね』とも。

盛大にやってあげるか、お祝いのタイミングを1回にするかはあるけれど、節目の年に「おめでとう」を言う娘がいなくなったら、父母より先に死んでしまったら、節目の度に寂しく感じるだろうなと思った。

また仕事を出来るか自信はない。何も出来る気がしない。けれど、父母に「おめでとう」を言うのは、生きてさえいれば出来る気がするし、言ってあげたいと思った。

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