第20話 一年を振り返って

今年一年を振り返ってみた。

振り出しに戻った……どころではなく、もっとマイナスだと思った。


去年の今頃は、最初の休職をしていた。

けれど、あのプロジェクトの上司がパワハラだっただけで、他のプロジェクトの上司は違うと思っていた。

だから、早く休職から復職して、業務に戻りたいと思っていた。

それがちょうど一年前。


数か月後に復職して、待っていたのは退職勧奨に追い込むためのPIPとその帰結である退職勧奨だった。

そして私はまた休職をした。前回よりももっと会社と険悪な形で。


人生、間違えたら振り出しに戻ればいい、という言葉をよく聞くけれど

私の振り出しってどこなんだろう。

少なくとも、年の初めの状態(1回目の休職)は振り出しではなかった。それよりも悪い状況があったのだから。


唯一、ポジティブに考えられるのは、これでも”最悪”ではないということ。

少なくとも、まだ、生きているのだから。

紙一重ではあったけれど、こうして生きて年末を迎えられたこと自体、”最悪”まではいかなかったということなのだから。


ここから始まって、来年はどんな年になるのだろうか。

もっと悪くなるのだろうか。それともいい年になるのだろうか。

そもそも、どうなったら、”よくなった”と言えるのだろうか。

復職したら? 転職してこの状況から逃げたら? 死にたいと思わなくなったら?


それすら曖昧なのに、”いい年になりますように”と祈っても、神様も困りそうな気がする。

せめて、それを明らかに出来る一年になったらいいなと思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る