第16話 自己投資の損切

クリスマスイブかつ日曜日。

一緒に過ごす相手もおらず、休職中で出勤日もない私は

混んでいる外に出るのもおっくうで、終日家の中にいた。

(腹痛だったのもあるけれど)


そして、先延ばしにし続けていた本棚の整理をした。

本は際限なく増えて置き場所を取ってしまうので、本棚1つに収まる本しか持たない(収まらなくなったらどれかを手放す)と決めている。内訳は、小説とビジネス本が半々。


説明術、思考整理、スライド作成術、プロジェクトマネジメントとはetc

ビジネス本は50冊ぐらいだった。

「いや、でもこれまた必要になるかもしれないし」「また買うの勿体ない」と感じる自分に、「またってどういう時?」と自問した。

鬱が治って、私が”また”社会に戻れる時が来るのだろうか。

それを目指して治療はしているけれど、今はゴールが遠すぎて、至るまでの道が見えない。


それに、これらの本を読んでいたって駄目だったのだ。

これらで自己投資しても、退職勧奨になった。

私は、投資対象として不適格なのではないだろうか。投資に値する、才能も頭脳も根気も、持っていないのではないだろうか。


自己投資の損切。

この言葉が思い浮かんで、ビジネス本は手放すことにした。

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