第6話 明日、東京に帰ることにした

東京を離れて一週間。

本を読んで、動ける時には外を歩いて、いくつか分かったことがある。


スマホは無くても案外困らない。ガラケーがあれば電話とショートメッセージは出来る。メールはPCで見ればいい。


ビジネス本は無くても困らない。この一週間、無くても全く気にならなかった。東京に戻ったら一度全部手放そう。復職して必要になったら、その時にまた買えばいい。


自分の環境(私の場合は東京)から逃げても暮らしていける。考えてみれば当たり前のことだ。その土地で暮らしている人たちがいるのだから。


家具付きのウィークリーマンションは便利だ。

次に借りることがあれば、また、洗濯機付き、電子レンジ付きの部屋にしよう。


こんなことを考えていたら、そろそろ東京に戻ってもいいかもな、と思った。

以前のままの部屋で暮らすのではなく、ビジネス本はすべて手放して、スマホもしばらく無くていい。

そしてまた逃げたくなったら、死にたくなったら、もう一度旅に出ようと思う。

逃避行のハードルの低さが、今回の逃避行で得られた一番の経験だったと思う。

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