外に出てはいけない私

外に出てはいけない私

　私は外にでてはいけない。

　なぜなら、私は解離性同一性障害であるからだ。診断した医者や親から外出を止められているわけではないが、私自身、外に出ていけないと思っている。私は、他の人格に変わると何をするか分からない。だから、周りの人たちに迷惑をかけないためにも、私が何かをしでかさないためにも、外出してはいけないと思っている。解離している間、つまり他人格が出てきている時、私は私が何をしているか記憶がない。

　私は外にでてはいけない。

　私が知らない間に誰かを傷つけてしまうかもしれないから。私はそんな私が怖い。過去に私は知らない間に親友を傷つけ、気づいたときには、縁が切れていた。もう、私は外に出てはいけない。人と関わってはいけない。私はもう人を傷つけたくない。

　私は外に出てはいけない。

　気づいたら、腕に傷ができていることがある。自分が傷つくだけならいいが、いつかこれが人に向くことがあるかもしれないと考えると怖い。