第9話 空間収納《インベントリ》を使いこなそう!
模倣神域はポンコツ神のせいで使い物にならんですしタイムリープは自主封印しました。
つまり私は現状、体は子供、頭脳は大人なただの五歳児です。
私は実験に取り掛かった。実は超チート能力だったりするんじゃないかと思ったりもしない事もないのだ。どっちだ?
まずは使ってみない事には話にならない。
今インベントリに物をしまったらどっちの神域に行くんだろう・・・多分、私世界の方ですね。恐らくシステムさんの干渉は私世界にシステムさんも複製したと考えるのが自然です。模倣神域も複製されていると思います。使用中に複製したからクロノグラスと天球儀がないのでしょう。
複製と言う表現が正しいかも疑問ですが・・・。
空間収納自体は既に使用経験ありです。オーブを取り出しましたから。
リストと同様のモニターが表示されます。つまり私は・・・収納の仕方が分からなかったのです。チュートリアルさん起きてください!しかし、先日の
「
私はオッツ邸に私室を一部屋頂きました。そこで実験中です。家具は最低限の物しかありません。要らない物などないのですが試す為に木製のコップに水を入れた物を選択しました。収納する方法は収納したい物に右手で触れて
結果は・・・机の上、水浸しです・・・。
知ってましたよ!
私は前世ではライトノベルや漫画も読みました。空間収納は基本ですよね♪
そこで思っていたのですよ。収納される範囲はどう定義されているのか?と。
【仮定①】範囲指定で収納。
コレだと無敵のギロチンカッターが生まれます。収納魔法でどんな物でも法則無視の切断が出来てしまいます。
この世界ではこの仮定は心配なさそうです。恐らく物質単位ですね。ペイントソフトの塗りつぶしの感覚です。生き物が収納出来ないのは基本ですね。出来たら無敵の封印魔法が生まれます。そういえば模倣神域で私は普通に呼吸をしていました。
疑問に思って図書館で調べたのですがこの世界、化学反応がありません。細菌もいません。概念ごと削除されています。
呼吸はマナの消費と言われています。酸素の役割を果たすのがマナです。細菌がいないと発酵しませんし、腐敗が起こりません。肥料が作れないのでは?と思いましたが全てマナが解決します。腐敗の代わりに全ての物質に耐久値があり時間経過で消滅します。
世界はマナで満たされている。マナは魔力の源です。そして循環しているのです。
全ての物質はマナで出来ている。それはパソコンのデータの様だと私は思った。
今回の実験でコップは収納されましたが水は収納出来ませんでした。
つまり範囲指定ではない気がします。液体が不可な可能性も視野に入れて、私はコップを持ったまま庭へ。そして土を入れて試したらやはりコップだけでした。
右手の平に乗せて実行したので手が土まみれになりました・・・。
因みに取り出しも右手のひらからでした。左手でリストを選択。右手のひらから出現。
これ・・・重かったらヤバくない?右手のひらを横に向けたら二秒ほど空中に静止して、そのまま落下しました。二秒の静止時間は重要そうですね。重力の影響を受けない時間がある様です。
次に発現場所が壁や地面の中だった場合。思い出される土中霧散デストラップ。
しかし、何かしらのチート能力に繋がるバグが起こる事も少し期待しました。
結果は・・・
『エラー』
・・・
システムさんお久しぶりです。その機能、デスルーラにも適応して欲しかったデス。
【仮定②】デスルーラはポンコツ神が適当に追加したシステム外の挙動。
システムさんは働き者です。あんなミスはしません。ポンコツ神が悪い気がします。
あと、試したかったのが水に触れた状態で収納。出来ませんでした。恐らく液体、気体は対象外なのでしょう。
他にも土を手のひらに乗せた状態での収納。触れていた土だけが収納されました。
空間収納のリストを見ると・・・リストが大変な事になっていました。
【523/3.26/9:12:21×1252】
魔道具はちゃんと名前が付いていたんですけどねぇ。
どうやらフォルダ分けされています。先程の土、一括選択が可能で個別も可能。
フォルダの中の一つを選択したら小さな石粒一個一個丁寧に取り出し出来ましたよ。
1252個・・・。一括選択出来て本当に良かったです。無理だったら1252回の地獄の取り出し作業でした。どうやら、例の魔道具以外は数字を割り振られる様です。
ちゃんと覚えておかないと後で困りそうだなぁ、と思ったら長押しで名前をキー入力出来ました。キーボードはまさにパソコンのそれでした。神様、さては隠す気ありませんね。
リスト名、これは・・・年、日、時間ですかねぇ。街の時間と一致しました。
時計台は庭からも見える背の高い建物なので確認出来ます。
魔道具はいくつかのパーツがある様に見えました。ある程度結合された物は一塊として認識される様です。水を入れたコップの上に小さな板を乗せて、コップに触れて収納してみました。同様にコップだけが収納されました。蓋を固定すると・・・蓋と水とコップ、まとめて収納されました!
これって個別で取り出せるのでしょうか・・・?無理でした。
土がフォルダ分けされたのはあくまで、別物質を同時処理して収納したからですね。
後は最大サイズですかねぇ。適当の塀に右手を付いて、
「
『エラー』
知ってた。
四畳半に入る量しか無理みたいですね。収納しまくったら、私が模倣神域で復活した時どうなるんでしょう?気にせずに収納してたら
感覚的な部分もありますが、収納はその物を平面で四角に包括出来るサイズで計測されます。四畳半のラグを収納しようとしたらエラーが出ました。たたむと収納できたんですけどね。
平らな物だと大した量は入りませんねぇ。一メートル四方ほどの布を床に広げて収納したら六枚でもう何も入らなくなりました。キッツイです・・・。
恐らく私の復活ポイントとして、一平方メートルくらいは使用中になっています。魔道具はあまりスペースをとっていません。丸い物も四角く処理されている気がします。
後は・・・斜めの状態で保管、出来ました。模倣神域ではどうなっているのやら。
確認したい気もしますが、やるとタイムリープ必須です。やめておきましょう。
つまり・・・収納して取り出すだけの能力です・・・。
あと試せる事って・・・あ、あそこ重力ありましたよね。
砂時計を収納してみました。そして驚くべき事を発見しました。
模倣神域、時間経過があるのです!
砂時計を入れっぱなしにしていて、数時間放置してしまった事があったのですが砂時計が少し落ちていました。約千分の一のスピードで時間が流れているのです。
書物の英雄は耐久値が少し伸びる程度と言っていたんですけどねぇ。
私のは、この理屈で言うと耐久値が1000倍です。1日で消滅する食物も二年半以上もつ事になります。
耐久値の低い物を運ぶ仕事とか出来そうですけど、時空属性魔法持ちとバレたらアウトですしダメですね・・・。なんかこう、バグとかでチートしたかったのですがシステムさんはしっかりと仕事をされていますねぇ。
しかし、私は見つけてしまいました。システムのバグを!!
二秒間の空中静止時間。なんとこれは無敵時間だったのです!私自身も全くダメージもエネルギー干渉も受けません。外部からの干渉を一切受けない時間。摩擦もないですし反作用も受けれないので動けませんけど・・・。この世界、空気抵抗はなくシステムで自動にエネルギーが減衰します。
これによって何が出来るのか?
二秒間の完全防御です!ブースト中のノイスの全力攻撃も完全遮断しました!
キタ!これで勝つる!
ジャンプして空中で唱えると空中で二秒間静止、それまでの運動はリセットされます。
怖いけどニメートルくらいの高さからの落下中に試しました。
治癒要員のレイン監修の元に・・・。
「飛ぶよ!飛ぶからね?飛ぶんだからね!!」
五歳児の二メートル落下。傍目から見たらヤバいです。レインはオロオロしながら見守ってくれていました。
因みに攻撃は、置きトラップは出来るかも?突進してくる敵なら尖った物を設置すれば大ダメージを与えられるかもしれません。でも極力、戦闘はしたくないですね・・・。
しかしこの後、この仕様には何度も助けられる事になるのですが・・・。
実験って大事ですね。
あのデスルーラもなんとか突破出来ないかと考えました。空中なら落下中に選択出来れば生存出来るかも?二分の一の確率かぁ・・・死ぬのやだなぁ・・・。
杖にまたがっておきましょうかね?わぁ〜魔法使いっぽい♪二秒間、浮くだけだけど。
素質が残っていれば新しい魔法が覚えれる可能性があり、まだ手段はあったのかもですが
詰んでますねぇ。土中回避の方法は未だに見つからず。
模倣神域内で
あ、二秒のタイムラグはランダムジャンプでも発生するのでしょうか?
あのポンコツ神の事です。恐らく仕様を弄ったのは出現ポイントの座標だけと思われます。あ、二秒以内に再ジャンプすれば死なないかも!?
二秒・・・キツいですね。早口言葉の練習が必要そうです。
しかし、なんで空間収納内の時間経過がこんなに遅いのでしょう?
書物に出てきた英雄の話ではこんな、硬直の描写はありませんでした。
私は魔法のリストを開きます。
・・・
『時間魔法LV10【MAX】』
あ・・・。二の十乗・・・1024倍。これかぁ・・・。
通常、経過時間が半分になる効果が時間魔法レベル1で付与される。それがLV10で1024分の1。辻褄があってしまいます。
取り出し時間に関しては、1024倍の無敵時間が付与される。通常は1000分の2秒ほどの所が二秒に引き延ばされている可能性があるのでは?空間の処理に発生するラグによるバグを回避する為の無敵時間。その最小時間が引き延ばされた結果・・・?
だとすれば恐らく
あと魔法、何があったっけ?
『
あ・・・、あかぁぁぁん!!
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