MARS CURRY Ⅱー百々末凡の陰謀
第42話 「MARS CURRYⅡー百々末凡《とどまつぼん》の陰謀」
「ジョージ、きっときっと、地球に帰って来てね」
「
「でも、でもアイツらは卑怯な真似をしてあなたを殺そうとするわ。決して油断しちゃいけないよ」
「アハハ、瑠璃に説教されるなんてこのジョージ・月影も落ちたもんだな。アイツら東京湾にオレを沈めたつもりが、まさかオレが強力防弾ベストを着ていたとはな」
「しかもあんたは海の中でシリコン製の人形にすり替わっていたなんてさ。しかも中から血液みたいな溶液ドバッとだろ。アイツらの手下はどうせバカだから、それをコンクリート詰めにしたなんて、笑わせるわ、全く」
「瑠璃のアイデアだったよな」
「あんたを勝たせたかった。あの
「君の父親、優秀な公安刑事の正太郎氏を自分では手を下さず、人手を使って殺しやがった。しかもバーで毒殺なんていう卑怯な方法でよ」
「オレは火星でキミの仇を討ってやる。アイツは今、火星で流刑になってる元高官の野郎とまた悪事を企んでやがるんだよ」
「こないだジョージが話してくれた違法カレーの販売ね」
「そうさ、百々末の野郎、その李安徳っていうろくでなしと組んで地球で安物の合成肉を作り、それを地球の高級牛肉と偽ってカレーに仕立て、大儲けしようとしてやがるんだ。
そして李安徳は、地球の小芋を売ってタイタン星ってところのダーク・マターっていう恐ろしい物質を手に入れ、軍部の腐敗した幹部に売り、権力に返り咲こうとしてやがる。このジョージ・月影が月に替わって成敗してくれるゼ」
「ジョージにもらった指輪よ。ほら三日月が彫り込まれた中にルビーが光ってる」
「寂しかったらそれを見てオレを思い出しな、瑠璃」
「ええ、ホントなら百々末の野郎はアタシが始末したかった。でも火星で証拠を掴んでからアンタが始末してくれる方を選んだの、アタシ」
「さすが瑠璃だな、あれだけ接点があったのによ」
「もうその話はいいの。信じてるわ、ジョージ。ああもう埠頭から円盤が出る頃よ」
「うん、じゃあな。気を付けろよ。百々末の部下がキミに気付いてるかも知れない」
「わかった、ジョージ。月に祈ってるわ」
埠頭から円盤が出てゆく。瑠璃はそれを見上げながらいつまでも手を振った。
つづく
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