第14話 「処女寺の庭」の乱

火星 タルシス高地 処女寺の風呂場

隣の物置にて


「しょ、しょ、処女寺、イヒヒ、ショジョでもないけどさ・・・」

「こらっ、ポンチ、声がおっきいぞ」

「ご、ごめん、兄者」


ポンチは上目遣いにポンタを見上げる。


「おいっ、ご本尊様が入ってきたぜ」


「兄者、お、オレにも見せてくれよ」

「待てって、今、スキニー脱いでるんだよ、ウヒヒ、ピッチピチなもんで、尻をくねらせながら脱いでるとこなんざ、お色気満点だっちゅうの」


「兄い、こっちにも板に節穴があって覗けるぜ」

「ほんとかよ、ポンツ」ポンチが振り向く。


「ここの寺が古いってこういうことだったんだな、風呂場の隣が物置きだって、こんな利用の仕方があったとは、ウヒヒヒ。あ、脱いだぞ、脱いだ、白いパンチイ、うへへ、真っ白な大きい尻が締まりもあってよお、まるでこの辺で取れる桃みてえだ」


「これから、桃尻様って呼ぼうかの」


「あ、こらこら、リンジーちゃん、手拭いで胸隠すんじゃねえっての。ウヒヒ、そうそう、お湯かけると透けるんだもんねえ、髪が濡れるとまた一段とカーワユイのお。


 あ、チ、チ、ク、ビ、が、あ、あお、あおおっ」


「ポンツ兄い、オレにも、オレにも見せてよ」

「しゃあないなあ、ポンテ、ちょっとだけ代わってやらあ


「あれ、リンジー様、いなくなってるぜ」


ガラッ、突然物置の戸が激しく開いた。


「痛ってえ」


頭を抑えてポンツが振り向くと、そこに立っていたのは湯気を上げながら全裸で棍棒を持つリンジーだった。


「チェストーお」


リンジーは棍棒をポンツのイキリ立った巨大な一物にお見舞いする。


「おおお、いってええ」股間を押さえながら縮こまるポンツ。


「ご本尊様、ご無体な」


境内に走り出ながらポンタが前から棍棒を奪おうとする。


「あ、そ、剃ってるんだ・・・」


「どこ見てやがるんだ、変態野郎!」

「い、痛えっ」


リンジーの棍棒が容赦なく振り下ろされ、最初腹を横断し、そしてイキリ立った一物の中央を上から下に振り下ろされる。泡を吹いて倒れ込むポンタ。


ポンチは横からリンジーの棍棒にしがみつくが、リンジーはそれを振り回して境内の松に激突させ、松の枝に挟まって仰向けになったポンチの股間に一撃。ポンチは滑り落ちて地上でもがく。


 次にポンテが後ろから飛び上がって羽交い締めにしようとするが、リンジーの濡れた肌で手が滑り、滑り落ちるところを振り向きざまに横腹へ棍棒の一撃、そして仰向けに倒れ込んだところを、開脚した間に伸び切った大きなゴールデンボールの中央斜めに棍棒が決まる。


「ギエエエエエエエッ」


思わず泡を吹いて痙攣するポンテ。


  ポントが逃げようとするところを後ろから頭を一撃、そして横腹に棍棒が見事に決まり、五兄弟は全て境内の上で蹲って蠢いている。最後に見張りで風呂場の外にいたポンチンポとポコチンポも余りの恐怖に土下座して震えている。


「てめえら、アタシが知らないとで思ってやがったのか!とっくの昔に知ってらあ。ご本尊様なんてちゃんちゃらおかしいわ。オマエらの目的ってこういうノゾキと盗撮だろうが。


アタシが本堂に入ってくる時も、デニムの尻目掛けていっぱい画像撮ってやがてることくらい、知ってらあ」


「じゃあ、な、なんでずっとこのお寺にいらっしゃったので」


末っ子のポコチンポが尋ねる。末っ子は未だ6歳なので純真なのだ。


「これには深い訳があるんだ。最低なオメエらには決して話さない深い訳がよ」


「これから、どうなさるおつもりで」


「もうガマンできんからお前らのボス、あのオリンポス山に住んでるっていうポンポコ御前に今日までのお前らの行状を報告するまでよ」


「そ、そ、それだけは、それだけはご容赦ください」


「いいや、する、報告してやる。オリンポス山を登るくらい、アタシの運動能力では容易なこと。

 

飛行船に乗って入れぬ神聖な土地でもアタシには自力で登れるんだ。お前らの尊崇するポンポコ御前が唱える三つの狸掟タヌオキテ、ひとおつ、邪悪に走るな、ふたあつ、邪淫にはしるな、みいっつ、一日に3回は腹鼓を打て、お前ら全部違反しておろーが。ポンタ、後ろからアタシの尻マジ見するなっての」


「お願いでございます。もう絶対ノゾキ、盗撮はしません、こ、今度地球へ熊鹿の肉を販売に行く時には、ご本尊様も同行願いますので、何卒、何卒よろしくご容赦を」


「マジかよ」


「本当でございます。今から3ヶ月後、皇帝様よりリースした火星三号でこのタルシス高地から出発するとのこと。目的地は日本の神奈川県横浜市郊外、ピオンモールとなっております」


つづく


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る