第2話 焦土

ふと窓を見てみた。

相変わらず代わり映えのしない風景だ。

風が吹きカタカタと揺れる窓は、

寒いのか寂しげに見えた。


午前5:00 朝食を食べる。

トーストとコーヒー。

味は変わらない、いつも通りだ。

今日はなにもしない。本か映画を見よう。

音楽を聞いてもいい、とにかく心を落ち着かせよう。


灰が降っている。積もっている灰。

男はささやく 「どうして生きている?。」

スイッチを押そうとしている

なんのスイッチだ?


どうやら少し眠ってしまったらしい。

また夢を見ていた。なんの夢だ?…

ときどきいきなり眠ってしまう

病気らしいが調べるすべがない


男はつぶやく 

「一人になってどうするんだ?。」

どうするんだ?…どうするんだろう…


目が覚める

昼頃になっていた。

そういえば何年目なんだろうか、ここに来てから

随分経っている気がする。

過去に意味はないが過去が作る未来には意味がある

外を見る 太陽も月も見えない。

何か大切なことを忘れている気がする。

焦げ付いた脳裏が何かを思い出そうとしている。

何かが変だ。

いや何もかもが変だ。

鏡の前に立ってみる

何も変わらない、いつもの自分だ。

何かが変だ。窓を開けようとした。


男は聞いてきた。

「トロッコ問題の正解は?。」


また意識が飛んでいた。おかしい


外を見てみる。黒い雨が降っていた。


街は原型を残さず溶けている。


手のひらを見てみる、真っ赤だった。


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