第4話「僕らの陽」

それぞれの時間

それぞれの命

それぞれの在り方

僕らは世界に点在する命の一つだ


この世界においては

あまりに数ある中の一つで

だが視線を合わせれば

甘酸っぱくも、堅牢な、色をしている。


それら僕らの色で

この世界は青く光り

地上に咲いた花々のように

アマ梅雨を吸い上げ

躍動している


この地脈と人脈は

きっと一線の愛で繋がれている

世界が時代を超えるたび


生命の螺旋もまた、愛を超え

未来を紡ぐ


この世界はなんと美しいか

なんと危なげか

一会に返し一会に終わる


僕らは今、生きて居る

生きて生きて、

超えている


時間の中で

限りある中で

それでも懸命に生きて居る

死んだ人さえ

墓仲間と談笑してる


どこにだって世界はある

死んでも生きても

居場所はある


生きてるんだ

真っ直ぐ生きてるんだ

だからこの命は変えの効かない

そんな個性で色づいてる


それぞれの視線で

それぞれの景色を追っている


だから世界はこんなにも

綺麗なのだ。


綺麗で綺麗で

美しいのだ


それらは人の輝きが

あなたの輝きがあるからで

あなたに灯る心が


また誰かを照らし

その誰かもまた誰かを灯す


そうして

陽が差し込み

夜でさえ、あたたかなぬくもりを感じる

それが僕ら、人間だ。

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