第3話「死なねば」

流れ着いた人生の終わり目

ここで死んでしまおうか

ここで息をやめようか


そう夜風に打たれる

この世界にある

相対的で相反する

ジゴロ


一切を捨て去り

逃げてしまおうと

そう楽な道を探しているはずが

今は、朦朧と地を這っている


所詮、人は、

逃げても腐るだけで

それが最善とは言えない

だが、逃げた以上

戻る道も

引き返す道も


遠すぎて


ただ悲嘆した

そうして降りしきる孤独感と

日々の閉塞的な心の圧に

呼吸が詰まり


吐いてしまう


もうだめだと

生きても無駄だと

悟ったが


死ぬ度胸さえなかった


そうして命を垂れ流し

好かない匂いを放ちながら

ゴミ袋にうずくまる


ああ、そっか

俺、あの時

ああすれば・・・

踏ん張ってたら


良かったな・・・

良かったのにな


もう駄目だよ

もう人生に失敗したよ


ああ、俺

どうして、死ねないんだ


そう意識する時間が

辛い

もう何も考えたくない


だから、だから

だから・・・


終わらせてよ

死にたいよ・・・


生きたくないよ。

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