第9話:悠生君のいろんな思い。

憂鬱になっても、否応なしに次の日はやって来る。

その日は大学もバイトもか休みだったので悠生君は買い物にでかけるつもりだった。


朝、目覚めたらあれは夢だったんだ〜って思えたらって思った悠生君だったが

見るとベッドの上でスヤスヤ寝てるワインがいた。


(俺はこれからずっと絨毯の上で寝るのか・・・)


ワインに着せたシャツは半分脱げかかって、おっぱいがプルンとはみ出してした。

おまけに股をおっ広げて寝てるから目のやり場に困った。


「寝相の悪い女だな、まったく」


真面目な悠生君はパンの体を見ないように手に触れないようにして

彼女の乱れたシャツを綺麗に直してやって自分はワインを起こさないようにして

洗面所へ行った。


洗面所でふと、まだ指輪をはめていることを思い出した。

また水に濡れたら、もう一人ワインみたいな子が現れたら発狂しそうだな・・・。

なんとなく嫌だったから悠生君は指から指輪を外した。


「ああ・・・そうか・・・パジャマもいるな・・・」


寝相が悪かろうが、そうじゃなかろうが、これからはワインと同居していくしか

道はないわけで・・・人が一人増えただけでいろんな問題を解決していかなきゃ

いけないんだって悠生君はなおさら憂鬱になるのだった。


悠生君とワインの場合はセックスしてないわけだから同棲じゃなくて同居で

いいんだよね。

ワインは悠生君にオンブに抱っこだからシェアってほどのことでもない。


「何度見たって普通にいるよな・・・ニンフが」


悠生君は何度も天井を見てワインに目を落とした。


「消えるわけないか・・・」

「大家さんにだけは見つからないようにしないと」

「もし吉岡「友達」が来たら、なんて説明する?、まあ、とりあえず俺の

彼女ってことにしとけば特に問題はないか・・・」


「問題はワインの下着だよな・・・やっぱり俺が買いに行くんだよな・・・」

「服以外にも生活必需品がひとりぶんいるし・・・」


悠生君は寝てるワインを起こした。


「もう、朝なんですか?」


「そうだよ、早く起きて・・・顔洗って、歯磨いて・・・」

「俺、買い物に行ってくるから」


「前の世界ではそんなことしたことないですよ」

「面倒くさいです」


「なに言ってんの・・・女の子だろ」


「そうですけどぉ〜」


「って言うか、まさか風呂にも入ったことないとか?」


「ないです・・・私、泉の精霊ですからね」


「え?意味わからんわ・・・」


「精霊だろうと誰だろうと・・・顔も洗わない風呂にも入らないじゃ汚いだろ」

「ここにいたいなら言うこと聞いてくれないと・・」

「不潔な女となんかセックスできないし・・・」


「えっ?お風呂に入ったらセックスしてくれるんですか?」


「いやいやいや・・・言葉のアヤだよ・・・たしかに汚い女とは俺じゃなくても

嫌に決まってるだろ」


悠生君は意外と清潔好きのようですね。


ワインは悠生君にセックスできないって言われて、しかたなさそうに

洗面所に行った。


「買い物に行って来るからおとなしくしてるように」


そう言い聞かせたが、ワインはろくに悠生君の言うことを聞かずに、

言う通りにしたんだからセックスしようって迫ってきた・・・が悠生君は

相手にしなかった。


「ちょっと行ってくるから・・・」


「はい、お出かけのチュー」


「できないの知ってて言ってるだろ・・・」

「行ってくるからな・・・寝ててもいいから何もするなよ」


「するかも・・・」


「カップラーメン食って、おとなしくしてろって」


それにしてもワインがカップラーメンを食べたあとで、しつこくセックス、

セックスって言わなくなったことは悠生君も驚いた。


カップラーメンにはパンを大人しくさせる何か特別な効果があるんだろうか。

悠生君にとっては、喜ばしい発見だったかもしれない。

ワインがエッチ行き分なったらカップラーメンを食べさせておけばいいんだから。


でもそれもいつまで効果があるのかは不明だった。


つづく。


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