第5話:悠生君を襲うワイン。

「そんな役立たず、どこの誰が相手してくれるんですか、そんな役立たず」


「二回も言わなくてもいいだろ・・・役立たずって」


「役立たずだから、役立たずって言ったんです」


「いいよ、そこまでして克服したいとは思わないから・・・」


「なにを言ってるんですか・・・男性はいっぱいセックスしてどんな

女性が来ても対処できるようにしておかないと男性失格ですよ」

「それが理想的な男性ってものです」


「いいじゃないですか、私の周りの神様もみんな男はそうでしたよ」

「ゼヌスのバカなんておネエちゃんをみたら、やりまくってましたからね

美女を見たなら即セックス 誘拐・強姦もお手の物の性欲魔神ですよ」


「ここは君の時代でもないし俺はゼウヌスさんとやらとも違うよ・・・」


「さん付けなんかしないくていいんです」


「ね、ほんとに、少しも女性に触れることもできないんですか?」


「そうだって何度も言ってるだろ・・・」

「小学生の時から一度も女性に触ったことないくらいだからダメだと

思うけど・・・」

「母親にだって触れないんだからな・・・」


「じゃ〜ひとつ提案なんですけどお〜」

「ためしにチューしてみます?・・・私と・・・」


「え?」


「もしかして私となら大丈夫かもしれないじゃないですか?」

「逃げてばかりだとトラウマ克服できませんよ」


「悠生がセックスできないとほんとに私、困るんです・・・」


「ね、試してみましょ、チュー」


「そこまで言うなら・・・」


「絶対、大丈夫ですよ」


そう言ってワインは悠生の唇に吸い付いた。

吸い付いたままワインはそのまま悠生君を押し倒して上からのしかかった。

そしてワインの舌が悠生君のクチの中に絡みついて来ると案の定、悠生君の

体中にジンマシンがブワッと広がった。


ニンフの唇か一度くっつくとタコの吸盤みたいに離れない。


「ぐぐぐ・・・ぐえ・・・おえっ」

「ぷはっ・・・離れろ・・・・ワイン離れろって〜〜〜頼むから・・・死ぬ」

「う〜〜〜〜ダメだ・・・やっぱりダメだ・・・」

「アナフィラキーショックで死んじゃうよ」


普通の男だったら、今のパンのキスだけでやりたくなるんだが、

悠生君には通用しなかったようだ・・・。

悠生君の女性アレルギーはそうとう重症みたいだね。


「もう、大袈裟・・・たかがキスじゃないですか」

「つまんない・・・私一生セックスできないんですか?」


「そんなこと言ったって俺には無理なんだからしかたないだろ?」


「分かりました、こうなったらユウセイとセックスできるまで私、諦めませんから」


「俺にその気があっても女性に触れられないんだからさ・・・」


「今のキスで、ユウセイの下半身反応してたじゃないですか?」


「どさくさに紛れて、なに確かめてるんだよ


「ね、しましょうよセックス」


「あ〜もういい加減にしてくれ・・・よりによって、なんで俺がこんな

一番ダメなことに遭遇するんだよ・・・俺がなにかしたか?」


「私を指輪から、出しちゃったのは悠生ですからね・・」

「責任取ってください」


「知らなかったんだよ、指輪から君みたいなエッチい女の子が出てくるなんて」

「知ってたら出してないわ・・・なんで俺が責任取らなきゃいけないんだよ」


「とにかく私、絶対諦めませんからね!!・・・干からびたくないですから」

「だからね・・・なにがなんでもセックスしてもらいますから」


「ああ〜もう耳にタコができてるよ、セックス、セックスって」


「じゃ〜エッチしましょ」


「言い方変えてたって、同じだよ」


「そうやって意地張っててもそのうち我慢できなくなりますよ」

「私の誘惑に落ちなかった男はひとりもいないんですからね」


「僕がかたくなに拒んだら無理だろ?」


「大丈夫ですよ、いくら拒否しても下半身は正直でしょ・・・ アレルギーって

言っても気持ちの上だけでしょ?実は下はちゃんと反応してるんだから」


「ギクッ・・・」


「私が悠生を押し倒して上に乗ればセックスできるんですよ」

「私が腰を振ったらもう我慢できなくなりますよ・・・」

「無理やりはしたくないですけど、でも私がいいかげん我慢できなくなったら

襲いますからね・・・」


「じゃ〜もう興奮しないようにするよ?」


「そんなことより俺、大学へ行かなきゃ・・・忘れるところだったわ」

「もう遅刻だよな・・・」

「大学終わったらそのままバイトもいかなきゃいけないし」

「君の相手をしてる暇なんてないの、いいかげん分かれよ、セックス、セックス

言わないでさ・・・」


つづく。

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