第2話「体育祭」

名字の若い順に席に着いた。

小春は辺りを見渡した。


新しい教室と新しいクラスメートに囲まれているのは、すがすがしかった。


「小春ちゃんよろしくね」前の席の愛菜は振り返って小春にいった。



「よろしく」


テニス部以外の友達ができるのは小春にとって嬉しかった。





三年二組のクラス担任は上山先生だった。背が高く、すらりとしているが、立派な中年の域に年齢が差しかかっていた。

目には優しさが帯びていた。温和そうな先生だった。


「今から体育祭の実行委員を決めます。立候補する人」



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結局、投票の結果、実行委員は永瀬蓮になった。



小春は蓮に票を入れたのだが、不純な動機からだった。


それは、立候補したもう1人の中川くんから過去に小春は告白されていたので、中川くんが実行委員になると喋るのが気まずいからだった。


このことが理由で蓮に票を入れたのはいくら考えても最低の動機だと思う。


中川くんも人気だったのだが、やはり、蓮には及ばなかった。




蓮は小春からみてもリーダーシップがあり、大勢のクラスメートから慕われていた。


蓮は持ち前の明るさで女の子からの人気は抜群だった。蓮はいつも明るくて輝いていた。クラスの相坂彩音と高山春香も蓮が好きと公言していた。



小春は思っていた。そんな魅力的な蓮と自分は今以上関わり合うことがないだろう、と。




なのに、なのに…




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