十一話

 晴れ渡った青い空の下、広い緑の庭の中、低木の前に置かれたベンチに私は伯爵と並んで座ってた。


「――あれはまったく驚いたよ。本当に飲み干してしまったのだからね」


「そんなに飲める方がいるのですね。ご主人様は今までどのぐらいお飲みになりましたか?」


「私は彼の三分の一も飲んだことはないよ。そんな豪快な飲み方は到底できない」


 笑いながら話す伯爵に私も笑う――約束通り、伯爵は二人で会う時間を作り、こうして庭で私と他愛ないおしゃべりを繰り返してた。気持ちを確かめるでもなく、最近見聞きしたことを楽しく話す、ただそれだけの時間。まだ答えを求めてない伯爵は、このゆったりした時間の中で私に明確な答えを固めてほしいというつもりなのだろう。あるいはただ仕事の合間の気晴らしにしてるだけかもしれない。でもどっちだろうと私にとっても楽しい時間だった。貴族の暮らしを垣間見るような話は普段は聞けないし、上流階級の人間でも意外に庶民的なところがあったりして面白く聞けた。でも残念ながら、そういう時間は大抵早く過ぎ去ってしまうものだ。


「……そろそろ戻るか。今日も付き合ってくれてありがとう、オリアナ」


「こちらこそ、楽しいお話をありがとうございました」


「ではまたな」


 ベンチから離れた伯爵は館へ戻ると、その廊下で待ってたソウザ隊長を連れて部屋へ戻って行く。何か意識させることを言うわけじゃない。それはあえてそうしてるのだろう。私は雇われた警護人で、伯爵は畏縮させて無理強いをしたくないのだ。自然な気持ちで接してほしい……そんな思いやりがおしゃべりの時間を作ってた。


 私は自分の気持ちをわかってる。伯爵のことが好きだ。でもそれは優先させるべきものじゃない。父さんからの命令……それが何より優先されるものだ。だからこうして二人で話すのは、捜査情報を聞き出すためと言い聞かせてる。まだそれらしい話は聞けてないけど、でも上手く誘導できればそのうち聞き出せるかもしれない――なんて、考えはしてるけど、こんなのはトレベラに対する理由でしかない。正直、私は伯爵との時間を楽しんでしまってるし、命令と感情の狭間で悩み、胸が詰まるような苦しさを感じてる。私情を挟むなという声と、二人きりの時間を喜ぶ声が頭の中で毎日怒鳴り合ってる。どっちかを諦めるなんて私にはできそうにない。父さんと仲間達は守らなきゃいけないけど、伯爵の思いを裏切るなんて、そう簡単には――


「どうしたんだよ、暗い顔して」


 戻った詰め所で座る私にジュリオが聞いてきた。


「え? そんな顔してた?」


「ああ、スリに遭って持ち金全部なくしたみたいな顔だった」


 私は無理に笑って明るい表情を作った。


「ふふ、じゃあ結構暗い顔ね」


「さっきまでご主人様に呼ばれておしゃべりしてたんだろ? 前は帰って来るとニコニコよく笑ってたのに、最近はそうじゃないな。何か、苦痛そうというか……」


「く、苦痛なわけないじゃない。ご主人様が話されることは、どれも興味深くて楽しいお話ばかりよ」


「顔には正直な気持ちが出るもんだ。ご主人様なら断ったって、別に怒ったりしないと思うけど。……もしかして、気に入られるように無理してるのか?」


「無理なんてしてないわよ」


「本当か? 自分だけ評価上げようとか思って――」


「ジュリオ、その辺にしておけ」


 詰め所の隅で剣の手入れをしてたカミロが穏やかな声で止めた。


「嫉妬はみっともないぞ。オリアナと前みたいな関係に戻りたいのか?」


 カミロに横目で見られると、ジュリオは気まずそうに目を泳がす。


「そ、そんなつもりじゃ……悪かった。ちょっと、言い過ぎた、かも」


「気にしないで。私は考え事してて暗い顔になってただけだから」


「そう……大変なことなら遠慮なく相談しろよ。仲間として力になってやるからさ」


「うん。ありがとう」


 力強く言ってくれたジュリオに私は笑顔を返しながら胸にチクリと痛みを感じた。こんな悩み、誰にも相談できるはずがない。皆を裏切ってる私が……。


 深夜――いつものように頭の中で悩みの怒鳴り合いが続き、私は意識が手放せないままベッドに横になってた。そんな時、扉がコンコンと叩かれる音がして、私はすぐに起き上がる。夜会後の初めての使いだ。襲撃があんな形で失敗したから、すぐに来るものと思ってたけど、使いをよこす日取りは変わらないらしい。


「……誰?」


「すべてを手中に収める者だ」


 いつも通りの合言葉を確認してから扉を開けた……が、私が開け切る前に相手が扉を押し開いてきた。


「皆、お前に首をひねってるぞ。幹部も、ローボも」


 ボサボサ頭の使いの男性は、こっちを睨みながら不信感の混ざった口調で言った。


「ローボ……?」


「夜会にもぐり込ませたやつだ」


 吊り上がった怖い目の彼……そんな名前だったのか。


「状況は全部聞いた。お前がローボを止めたんだってな。なぜそんなことをした。止めなきゃ伯爵を完全に殺れてたらしいじゃねえか」


 仲間達が怒るのは当然だ。絶好の機会に私が伯爵をかばってしまったんだから。だけどそれが思わず止めた、なんて理由じゃ通用しないだろう。明確な、正当な理由を言わないと、私はこの仕事から外され皆から信用を失うだろう。何か考えて言わないと――そうだ。その前に重要な情報を伯爵から聞いたじゃないか。


「あの、聞いて。私、一つ情報を得たの」


「はん? 情報?」


「ええ。伯爵から直接聞いたすごい情報よ」


 使いの睨む目が少しだけ緩んだ。


「ほお、どんな情報だ」


「シーレドラスはトレベラに潜入捜査官を送ってるらしいわ」


 これに使いは驚きに目を見開く。


「何? 間違いないのか?」


「伯爵から直接聞いたんだから、間違いないはずよ」


「そんな重大な話、何で早く伝えなかった!」


「だ、だって、こっちから伝える術はもともとないし、警護をさぼってトレベラへ戻るわけにもいかないから、使いが来るのを待つしか……」


 苛立ったように使いは小さく舌打ちする。


「敵がトレベラにもぐり込んでるなんて一大事だぞ。こっちの動きが筒抜けになったら最悪な事態になる。……で、その捜査官の情報は?」


「そこまでは、まだ……これから探ってみる」


「なるべく早く、だが慎重にやれ。ばれたらシーレドラスに手を打たれちまう――」


 そう言うと使いは急に閃いたように私を見た。


「そうか。だからなのか」


「え……?」


「伯爵を殺らせなかった理由だよ。捜査官の情報を聞き出すために必要だから、まだ殺すわけにいかなかったってことなんだろ?」


 一瞬きょとんとしてしまった私は、言葉の意味を理解してすぐに頷いた。


「……そ、そう! 伯爵にはまだいてもらわないと困るから止めたの。ローボとは当日の夜会場で会ったから、潜入捜査官のことを話す時間がなくて、それであんな形になっちゃって……」


「ふっ、これで納得できた。お前が仲間を裏切ったんじゃないんだな」


「そんな誤解してたの? 私が裏切るわけないじゃない……」


 私は作った笑顔で返す。何か勝手に勘違いしてくれたみたいだけど、こっちとしてはすごく助かった。これで皆の信用を失うことはひとまずなさそうだ。


「上には俺から説明しておく。戻ったら早速裏切り者捜しで大忙しだな……じゃあそっちは頼んだぞ」


「ええ、任せて」


 使いは踵を返すと、駆け足で暗闇の道の奥へ消えて行った。その姿が見えなくなるまで見送って私は扉を閉める。どうにかやり過ごした安堵を感じながらも、嘘をついて隠してる自分の行動にわずかな嫌悪感も覚えた。仲間に嘘をつかなきゃいけないなんて、私は最低だ。でも自分の心を無視することもできない。それともやっぱり無視して、覆い隠す努力をしないといけないんだろうか。父さんや仲間達のために……。


 また頭の中で感情の怒鳴り合いが始まりそうな気配を感じながらベッドへ戻ろうとした時だった。扉が再び叩かれる音がして私は振り向く。帰ったはずの使いか? 何か言い忘れたことでもあったんだろうか――取っ手をつかみ、私は合言葉を省いて扉を開けた。


「まだ何か――」


 さっきの使いと思って話しかけた相手を見て、私の身体は固まった。


「やあ、オリアナ」


 柔らかい笑顔を浮かべた私服姿のカミロが目の前に立ってた。仲間以外の、しかも敵側の人間がこの家に来るなんて初めてのことで、私は上手く動揺を隠せなかった。


「……な、何で、カミロが? 私の家、どうやって知って……」


「館にある住民票の写しを見せてもらってね。……へえ、オリアナはこういう家に住んでるのか」


 そう言いながらカミロは私の肩越しに部屋の奥をのぞき見る。


「それで、こんな遅くにどうしたの? わ、私に急な用事でも?」


「まあ、そんな感じかな。……ところで、さっき来た客は誰?」


 思わず息が止まる。使いと話してるのを見られてたの……?


「か、彼は、昔からの友達で――」


「盗賊仲間、とか?」


 カミロの紫の目が嫌な光を放って動けない私を見た――何で、ばれてるの?


「図星か……こんな近くに盗賊がいたなんてね」


 フッと笑うカミロに私は慌てて言った。


「違う! 私は、と、盗賊なんかじゃ――」


「もう無理だよ。そんなわかりやすい態度じゃ嘘を言ってるのがバレバレだ。素直に認めたほうがいい」


 どうしてばれたの? 今までそんな素振りも雰囲気もなかったのに。一体いつ、どこでしくじったの? ばれる要素なんて何もなかったはず――自分ではわかりそうにない疑問を、私は恐る恐る聞いた。


「……何で、カミロが知ってるの?」


 微笑みながらカミロは言う。


「夜会での事件について、私は隊長と一緒にご主人様にうかがってね。その詳細を聞いた。オリアナにも同じように聞いたね」


 確かに、私も二人に事件の詳細を聞かれ、説明してる。仲間のために細かい情報はあえて伏せながら。


「君は咄嗟のことであまり覚えてないと言ってたけど、ご主人様はすべてをしっかり覚えておられたよ。犯人の容姿、凶器、動き、そして君に対して、何やら言葉を囁いてたということも」


 私はあの時のことを思い返す。ローボのナイフを止めた直後、彼は怪訝な顔を向けて囁いた。どういうつもりだ、と。あれはきっとローボも思わず言ってしまったんだろう。私の行動があまりに想定外すぎたものだから。それを伯爵は見逃してなかった……。


「……ご主人様がそれをお聞きしてたから、私を疑ったの?」


「いや、君に囁くのは見ても、ご主人様は言葉までは聞き取れなかった。でも犯人がオリアナに何か囁いた……それだけでも疑う余地はある。何せ君は短い間に二度もご主人様を襲撃犯から守りながらも、取り押さえることなく逃がしてる。それは本当に偶然なのかと思うところもあった。だから私は君のことを調べてみようと思ったんだ。こちらに出してる情報はすべて本当なのかとね」


「情報って、何を調べたの?」


「話してた経歴や、この家のことだよ。君が通ってたという学校に手紙で聞いてみたけど、オリアナ・ファルカンという生徒の在籍記録はなかったよ。もちろん卒業記録もね。つまり君は経歴を詐称して警護人に採用されたわけだ。じゃあオリアナはなぜそんなことをしてまで警護人になったのか、本当は何者なのか……私は正体を突き止めるためにこの家について調べてみた」


 するとカミロは家の板壁を手で軽く叩いて見せる。


「よく見ると、壁のところどころが新しい板で修繕されてるね。でも君がやったんじゃないんだろ?」


 何も答えない私を見て、カミロは薄く笑う。


「この辺りの住民に聞いてみたら、この家は何年も前から空き家だったそうだね。それが最近になって急に修繕され、女性が暮らし始めた。ちなみに空き家だった頃は、よく物騒な男達が出入りしてたらしい。噂によれば彼らはここ一帯を縄張りにする盗賊だったようだ。そんなやからが使ってた空き家に女性がいきなり一人で移り住むなんて考えづらい。堂々と縄張りの空き家に住むのは、彼らを知り、話が通じる人間、つまり仲間なのではと疑った」


 嫌な汗が全身を流れる感覚に、私は顔をしかめずにいられなかった。どうしたらいいの? ここまでばれたら一体何を言えば――


「だからこうして君の家を張ってみたら、見事当たりだ。さっきの客の男との話、悪いけど聞かせてもらったよ」


「どこから、聞いてたの」


「最初からだ。ご主人様を殺れたとか、潜入捜査官のこととか、あと君達がトレベラの人間だということも」


 ゆっくり向けられたカミロの視線に私は息を呑んだ。全部、聞かれてしまった。一番隠さないといけないトレベラの名前まで……。もう、駄目だ。ここまで大きな障害があったんじゃ仕事は続けられない。でも私は命令を果たさないといけないんだ。気は乗らないけど、カミロを、この手で、やるしか――


「言っておくけど、私は君を脅したり捕まえるためにこんなことを話してるわけじゃない。だから早まったことはしないでくれよ」


 私の殺気を感じたのだろうか、カミロは軽く手を振りながらそんなことを言った。


「正体を知って、私を捕まえないの? じゃあ何をしにここへ……?」


「君が盗賊だと認めてくれたから、私も一つ秘密を明かしたい」


 短い間を置くと、微笑む顔を向けたカミロは言った。


「実は、私も裏社会の組織の人間なんだ」


 すぐには信じられない告白に、私は何度も瞬きを繰り返した。


「……どういうこと? カミロは一般市民じゃなく、それを隠して――」


「そう。君と同じように素性を隠して警護人に採用されたんだ」


「まさか……信じられない」


「信じられなくても事実だ。私は組織の指示で動いてる」


「どこの組織なの? 伯爵の側にいるってことは、シーレドラスにそれなりに目を付けられてる組織ってことでしょ?」


「所属を言うのは勘弁してほしい。仲間に迷惑がかかるかもしれないからね。でもシーレドラスを邪魔に感じてる組織だとは言っておくよ」


「じゃあカミロも、伯爵の命を狙って……?」


 これにカミロは首を横に振った。


「いいや、そのつもりならもっと前にそうしてる。私が受けた指示はシーレドラスの動向を内部から監視することだ。もともとは本部内に潜入するつもりだったんだけど、そういうところはやはり身辺調査なんかが厳しくてね。だから本部よりは緩かった伯爵の警護人になったんだ。それでも伯爵を通していくつか情報を得られてるから、そんなに悪くはないよ」


 スラスラと明かすカミロに、私は唖然としてた。四人いる警護人のうち、半分が裏組織の人間だなんて。伯爵の周りは警戒を緩めすぎでは? 私が言うことじゃないとは思うけど。


「秘密を明かしたのは、私は君の敵ではなく、ある意味仲間で、シーレドラスを目の敵にしてる組織同士で協力できるのではと考えたからなんだ」


「協力って、具体的には?」


「探って得た情報の共有だ。お互いが持つ情報を交換できれば、組織に伝える情報も二倍になる」


 確かに、そうかもしれないけど――


「でも、私が受けた命令は伯爵を消すこと……伯爵がいなくなったらカミロは情報を探れなくなるかも……」


「そこは考えなくてもいいよ。私のせいでそっちの目的を邪魔したくない。情報共有はあくまで選択肢だ。必要と思った時にやればいい。オリアナは自分の仕事だけに専念して、私を頼りたかったらそうすればいい」


「カミロは困らないの? 伯爵が情報源なんでしょ?」


「まあ……でも他にも探る方法はある。どうにかなるさ。……ところで、君はいつ伯爵を消すつもりなんだ?」


 聞かれて私はすぐに答えられなかった。


「……いつとか、そういうことは……」


「計画がないのか? 消す方法とか、事前に考えてるものだろ」


「まだ、何も決めてないわ。まだ……」


 カミロは怪訝そうにこっちを見る。


「協力者でも、他人の私には言えないということか?」


「本当に決めてないの。全部私に任されてて、計画なんてものはなかったから」


「じゃあ、隙を見て消す感じか。最近伯爵は君とのおしゃべりを楽しみにしてるようだ。その二人だけの時間が狙い目になるね……でも、そこで消すとまず疑われるのは君になる。捕まりたくなければ二人きりの場は避けたほうがいいだろう。まあ、そんなことは君の勝手だけどね。背後から襲おうと、色仕掛けで消そうと、私には関係ない」


「い、色仕掛けって……私、そんなつもりで伯爵と話してるんじゃ――」


「そうなのか? でも伯爵は明らかに君に心を奪われてる。それを利用しない手はないと思うけど?」


 カミロの言うことが正しいのだろう。敵を油断させるのに色仕掛けというのも一つの方法だ。それは頭でわかってる。でも心は猛烈に拒否してる。


「そんな方法、使わなくたって、ど、どうにかするわ……」


 カミロはふーんと言うと、小さく肩をすくめた。


「まあ何だっていいけどね。……そうだ、できることなら消す前には私に一言知らせてほしい。そうすればその後のこっちの予定が立てやすくなるからね」


「できるかわからないわ。思いもしない時に機会が訪れるかもしれないし……」


「それもそうか……とにかく、私の情報が欲しかったら言ってくれ。協力するから。じゃあ各々、今後も頑張って仕事をしよう。お互いの組織のために」


 ポンと私の肩を叩いたカミロは、微笑みを残して立ち去って行った。こんなことがあるのか……別の組織が同じことを考えて潜入させてるなんて。これは私にとっていいことなんだろうか。それとも素性がばれたことはやっぱりまずいことなのか。でもカミロは協力してくれると言った。私が得てない情報をくれるかも――ああ、頭の中がいっぱいで少し整理したい。カミロのこともそうだけど、潜入捜査官の情報や、伯爵に対する行動、そして何より、自分自身の気持ち……ベッドにもぐってじっくり考えるしかない。答えは出なくても、ちょっとは前に進むかもしれないから。

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