Letter in a Bottle with Love ~KC~

第1話

待っていてください。

私の歩みはそれほど早くないのですが、必ず、あなたの元へ至ります。

どうかそれまで、待っていてほしいのです。

私とて、時間と空間を飛び越えて、あなたの元へ馳せ参じたい。

全てを捨てて、ただ、風のように疾走出来たらどれだけ良いでしょう。

けれど、それをすることによって、あなたをより窮地に陥れては元も子もないと思ってのことなのです。


私がただ一つ恐れることは、愛しいあなたが、これいじょう心を痛めてしまうことなのです。

今は逸る気持ちを抑えて、ただ、あなたの元へ最高のタイミングを以てたどり着くことが最善であると思うのです。


しかしながら、あなたもまた、不安の中にあり、私もまた、あなたへの気持ちをただ抑えるのは難しい。


ですからここへ、私の気持ちを僅かながら載せられればと思い、文字をしたためています。


昇る朝日に、沈む夕日に、夜に輝く月や星々に、私はいつでもあなたを想い、あなたとの再会を誓っています。


どうかそれを信じて、今少しだけお待ちください。


愛しいあなたへ。

今日もまた少しでもあなたの元へ近づいていると思うと、私はそれだけで心躍らせています。

あなたもまた、日ごとに遠い約束が果たされる時が近づいていることを感じてくださいますように。


重ね重ね、お待たせしていることをお詫び申し上げます。


遠い空よりあなたを想います。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Letter in a Bottle with Love ~KC~ @reimitsuki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ