第13話ラーメンとのセットで頼むやつと、最後はやっぱり別腹も欲しい
ズルルルルルッーと、ベルンさんのお店中に響く音。
白髪のドラゴニュートのイケおじ様が、猛烈な勢いでラーメンを食べていた。
「実にうまいのう。このラーメンという料理気に入ったぞい。このために人里に下りてきて正解だったわい」ほっこりとした顔のアンドラさん。
「それは良かったです」
チュルルルルっーと、私の隣の席ではルイーダさんとロン君がラーメンを貪っていた。
優斗さんは、ラーメンを味わいようにゆっくりと食べていた。
ちなみに私も一緒にラーメンを食べている。
本当にみんなラーメンが大好きよね。
「ふう、たらふく食べたぞい」
もはや何杯お代わりしたのか分からないくらい食べたアンドラさん。
「そうねえ。でもラーメンって食べた後にお腹空かないかしら?」
ルイーダさん本当にどんだけ食いしん坊なのよ。
でも、ちょっと分かる。
なんかラーメンって腹持ちが悪いような気がするのよね。
それに食べた後口さみしい感じもする。
「ああー、それ分かるな。俺も食べた後とかに、なんかまた腹減るもん」
ロン君はまあ、食べ盛りってことで良いか。
「僕も、ラーメン食べた後はラーメンが食べたくなるな」
いやいや、それは優斗さんがラーメンを好きすぎなだけです。
でもそうね。
私もラーメンだけじゃ足りないかも。
何か軽く作ろうかしら。
ラーメンは中華料理だから、同じ中華ってことであれを作ろうかしら。
「ベルンさんちょっと厨房借りても良いですか?」
「ん? ああ、別に良いけど」
「ありがとうございます。じゃあ、ちょっとパパっと作っちゃいますね」
「みなさんちょっと待っててくださいね」
私をみんなが不思議そうに見つめてきた。
じゃあまずは、フライパンを温めてから油をひいてと。
そこに溶いた卵を投入。
卵が固まりきらないところでご飯を入れる。
強火でご飯を切るようにして炒めていく。
パラッパラになるまで炒めたら、そこに醤油塩コショウで味付け。
最後にネギを入れて軽く火を通して出来上がり。
あとはお皿に盛ってと。
「じゃじゃーん! チャーハンの完成でーす」
みんなジュルッと音を鳴らした。
「やだちょっと、美味しそうじゃなーい!」
ルイーダさんの目が輝いている。
「なんとも香ばしい匂いじゃのう。うまそうじゃわい」
アンドラさんが鼻をふんふんとしていた。
「早く食べようぜ!」
ロン君が急かす。
「わざわざ作ってくれてありがとう、しずくさん」
優斗さんが申し訳なさそうにしていた。
「良いんですよ。優斗さん。私が勝手にやったことですから。それじゃみなさん私特性のチャーハンを食べましょう!」
「いっただっきまーす!」
みんなの口が揃った。
パクパクっとすると熱々が口の中にやってきたので、ゆっくりと噛む。
むっ!
これは……。
「うまーい!」
みんなの口がまた揃う。
みんなの美味しそうにしている顔。
「なんじゃこのパラパラとした食感のものは? むっ! さてはこれ米か!? なんということじゃ。我はそれほど米は好きではなかったが。じゃがそうか、どんな食材も調理次第でいかようにもこれほどうまくなるのじゃな。感動じゃ」
アンドラさんが饒舌で食リポしている。
なんかシュールで可愛い光景ね。
「本当に美味しいわー。味付けも程よい感じだし、それにやっぱりなんといってもこのパラパラした米がたまらなく美味しいわー! 凄く面白い食感よね」
ルイーダさんがこれまた美味しそうに食リポして食べてる。
しかもモリモリと食べ進めてる。
「すごく美味しい。ラーメンのお供はやっぱりチャーハンだなあ」
優斗さんが一粒一粒噛み締めるように食べていた。
あはは、なんか大袈裟ですね。
「なんだよこれ!? 米がこんなに美味しく感じる料理初めてだぜ! お代わりある?」
ロン君があっという間に平らげ、お代わりを要求。
「相変わらずの食欲よねロン君。今作るから少し待っててね」
「のう我も頼んでよいかのう?」
「ええ、良いですよアンドラさん」
「あ、あたしも食べる―」
「え、ルイーダさんも」
「僕も食べたいかも……」
「優斗さんまで……。わ、わかりました。また頑張ってつくりますね」
――その後、みんなが私の作ったチャーハンを何杯も何杯も食べた。
作っても作ってもお代わりを要求され、まさにお代わり地獄のような状態。
「ううー、勘弁してよー……」
腕がめっちゃ疲れたのだった……。
「ふう、お腹いっぱい」
みんなが口を揃えた。
みんなのお腹が膨れている。
「あー、でも最後にデザートが食べたーい」
え? これだけ食べてまだ食べるのルイーダさん。
でも私も甘い物とか久しく食べてないわね。
デザート食べたい……。
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