六 ラスティの考え

「ラスティ。貴重な情報をありがとう。ペックたちを捕獲されずにすんだ」

 俺の言葉にペックが震えながらも強気に言った。

「それならどうやって異星体を誘き出すのさ?ここにいても異星体を狙撃できないぞ?」

 

「ラスティ。異星体の宇宙艦の素材は何だ?分析したんだろう?」

「ああ、ダスティが分析を終えた。宇宙艦はアルミニウムとマグネシウムが主体だ。

 宇宙艦が大気中で燃えずに着陸できたのは宇宙艦のシールドのおかげだ。シールドは物理的な兵器には効果がない。砲撃で大破する可能性が高い」


「ダスティはどうやって宇宙艦に接近した?」

「再従弟のモールが作った地下通路を使って宇宙艦に接近した。スキッドの周囲はシールドがスキッドと一体化してる。シールドは光を透過するから分光分析した」


「この交信を異星体に聞かれないか?」

「今のところ聞かれてない。儂らの脳波は異星体と異なっとるはずだ」

「貴重な情報をありがとう。ダスティとモールを至急戻して待避させてくれ」

「わかった。帰還させて待避させるる」


 ラスティがダスティと交信している間にペックが言う。

「状況はわかったよ。ところで宇宙艦のシールドをどうやって破壊するんだ?」

 交信を終えてラスティが説明する。

「フルメタル弾で穴が開くはずだ。試してみるがいい」

 シールドは電磁的兵器に対して、光を鏡で反射するように有効だが、物理的兵器には鏡で弾丸を防ぎ切れないように効果が薄い。ただし、鏡が防弾仕様なら鏡は破壊されない。


「わかった。狙撃する。ラスティも納屋のシェルターから見ててくれ。

 ダスティとモールは、ラスティの元に戻ったか?」

「もうすぐ戻るよ・・・。戻ったぞ!」


「アンマン。メタルジャケット弾をフルメタル弾に交換だ。装填しなおせ。

 ペック。シールドが消えても待機だ。狙撃銃を持ってるか?」

「持ってよ。ぼくたちも狙撃していいんだね?」

「ああ、いいぞ、至急準備してくれ!」

「了解したよ。皆、狙撃準備だ、いいね!」

「了解!」

 ペックが率いたトリたちが同意した。

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