41.5分の3
======= この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。
中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。実は、元巡査部長。
中津(西園寺)公子・・・中津健二の妻。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。元は所員の1人だった為、調査に参加することもある。
高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。
泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。
泊(根津)あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。同僚の泊と結婚した。
夏目朱美・・・有限会社夏目リサーチ副社長。
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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==
==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO本部の精鋭部隊である。==
※このエピソードは、「特命機関夏目リサーチ4」から続いております。
※日本の「空港警察署」は全国に5カ所ある。
成田国際空港警察署(千葉県警察管轄・成田国際空港内)
東京空港警察署(警視庁管轄・東京国際空港内)
中部空港警察署(愛知県警察管轄・中部国際空港内)
関西空港警察署(大阪府警察管轄・関西国際空港内)
福岡空港警察署(福岡県警察管轄・福岡空港内)
午前9時。中津興信所所長室兼会議室。
マルチディスプレイに中津警部が映っている。警部は、夏目リサーチのマッチングシステムの成果を言った。
「じゃあ、1度に5人の『枝』が登場かあ。」と、中津健二が言った。
すると、「人数的には、判明したのは5分の3だが、元反社・公衆会組員牛込良二以外の総裁立候補者殺害は、ヒットマンかも知れない、と久保田管理官は言っておられた。」
「ヒットマン?殺し屋ですか?」「うん。オクトパスこと山下の話では、バトル要員集めて襲う以外に、ヒットマンを雇う場合もあるらしい。以前、ケンも同じことを言っていた。」
「ケンと言えば、警視庁に駆けつけたイーグル国軍は、ケンが寄越したんですか?」
高崎が尋ねると、「ああ、大文字伝子隊長が『一生のお願い』をしたらしい。効果覿面だな。」と、中津警部が笑った。
「男は、『一生のお願い』に弱いからな。」と健二が言うと、「誰が言ったの、ねえ、誰、だれ?私じゃないよね。」と公子が食ってかかった。
「落ち着け。一般論だよ。」と、健二がなだめ、皆は後ろを向いて肩を揺すった。
「で、今回の使命、いや、お願いだが・・・。」
高崎が、警部の言葉を遮って言った。
「新しい拠点とやらの監視、ですか。公安の下請けですよね。」
「嫌味言うなよ、高崎。何か糸口見つかれば『めっけもん』じゃないか。」
正午。池袋サンシャインシティ。サンシャイン60ビル。
サンシャイン60ビル、〇リンスホテル、ワールドインポートマートビル、文化会館ビル、4つの棟から成立し、互いに行き来出来る。
「だだっ広いから、『隠れ家』はどこにでも作れる。新しい拠点は、そんな場所だった。
お昼休みともなれば、各ビルの客は勿論、ビル内の会社・施設で働いている人々も移動する。
池袋駅からやってきた中津達は、途方に暮れた。
だが、非常サイレンが鳴り、各ビル一斉に『避難訓練』が始まった。
中津は知っていた。人は、興奮が収まると、却って饒舌になることを。
中津達は、サンシャイン60ビルのスカイレストランの各通路で、隠しカメラで撮影をしまくった。
つまり、ジロジロ見るのではなく、夏目リサーチとの再連携をするのが賢明と中津健二は考えたのだ。
夏目リサーチのデータでは、池袋駅からサンシャイン60ビルに向かう、連中の姿が映っていたのだ。
調査は4時間に及んだ。
くたくたになったが、コンビニのイートインで「遅い昼食」を済ませた中津達は、浅草まで行って、夏目リサーチの分社に行き、『宅配ボックス』にカメラを入れてきた。
この宅配ボックスは、通常の宅配ボックスと同じ形に作られており、あたかも宅配便業者のリースであるかの外観だ。
普段は、本社の方から、社長の優香達が『極秘資料』を届けている。
写真データはともかく、映像データは容量も大きいから、電送しにくいから、こう言う形を取っている。たまに『差し入れ』も、入れることもある。
届け終えた中津達は、浅草の蕎麦屋で食事をし、帰還した。
午後11時。中津家。
就寝しようとしていた、中津達は、夏目リサーチからの電話を受けた。
電話の相手は、夏目朱美だった。夏目リサーチの副社長だった。
「分社から連絡がありました。例の2人、明日、成田から出発することが会話から判明したわ。流石、中津興信所ですね。兄にも義姉にも伝えておきました。久保田管理官に伝えると、長時間の監視だが、絶対『高飛び』しない、と言っていました。ご協力ありがとうございました。」
「礼を言うのは、こちらが先ですよ。少なくとも、今回の事件は解決できそうですね。」
電話を切ると、公子はパジャマを着ていなかった。
「さっき、お風呂・・・。」中津は、しゃべれなくなった。
中津健二は覚悟した。そして、南部のことを思い出した。
南部の妻の総子も『押しかけ女房』だった。
明日は、「寝坊」しそうだな。自宅が勤務先だから、5分もあれば出勤は出来るが、その分プライベートタイムも長い。
事務所の方では、電話が鳴り、留守番電話が応答していた。
―完―
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