第2話 手紙は貰ったらもらったで嬉しい
もうこの時期か年賀状。
チラシやレジの近く、郵便局ではもちろん販売がスタートする時期だ。
毎年年末になるとどーしたもんかと考える。
もちろん、出す出さないではなく書く内容で迷うのだが。
書くのが面倒だから出すのを止めた。
出したら返信で手間を取らせるから。
きたら返す。
これらの理由で年々年賀状を出す人は減っていると聞く。
色々対応に気を遣って考えるのが大変だと聞くが、私の回りは何とも潔いので考えなくてすむ。
「書くのは面倒だけど、貰うと嬉しいからちょうだい!」
こんな人が数人。
いや、私は全然書くけども他の人にはあまり言わない方がいい気がするよ...
住所をまとめたノートを出して、今年出す人を書き出す。ちなみに、喪中などで出せない人にはクリスマスカードや手紙を出すことにしている。
マメだと言われるが全然何の苦でもない♪
(片付けなんかがこんな感じになればいいのだが...)
ファイルしてある便箋コレクションからバラバラに取り出し、手紙の準備をする。もちろん切手もこだわりだ♪ ある意味私の贅沢な趣味はこれかもしれない。
ゴトン
と急に玄関から音がした。
見に行くと少し大きめの封筒が、可愛らしい太めのテープでガチガチに固めてある。
先日喪中のハガキがきていた元同僚からだ。
後輩だけど年上で、結婚を機に県外へ引っ越した。
中には手紙とクリスマスカード、柚紀(ユズキ)の大好きな付箋やマスキングテープが盛りだくさんだった。
「ウワッ!」
思わず声を出してニヤつく。
どうやら、たまたま見つけた雑貨屋が柚紀がドハマりしそうな雰囲気だったらしくサプライズしてくれたらしい。
そして、実はもう1通。
!?
名前を見て驚く。
「手紙書くのは面倒だけどちょうだい!」
と言っていたあの友人からだ。
【貰ったら嬉しすぎて書きたくなった!
10年以上ぶりにレターセット買ったわ!】
とのこと。
思わずその出だしに笑ってしまった。
中身は何のことはない、いつもスマホでやり取りするような内容。でも、少しだけ日頃は見えない深さの気持ちも溢れていた。
(手紙ってこーなんだよね。)
と思いながら、吐き出してくれた日頃のストレスを受け取った。
「よしっ。また返事を書くか!」
柚紀は、手紙で貰った内容の返事は必ず手紙でするようにしている。
ちなみに、この友人は同じ市内に住んでおり会おうと思えば会えるのだ。
手紙は書かないという人に私はよく勧める。
自分の住所が書けない若者も増えてるという。
(いや、私もまだ若者!と思ってるのだが...)
お店でレターセットを選んでいる人を見かけると、思わず「手紙書くんですか!」と声をかけたくなる。
(もちろん、そんな不審者的行動はしないので安心を。)
やっぱり手紙推奨活動をしていこう!
と勝手に決意をし、ひとしきり届いた郵便で癒されてから今年の年賀状購入枚数の把握を再開した。
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