平成

無記名

あの時代はとうに過ぎ去った

頼れるものもなくなにもないなかで

もがき苦しみ

それでも走り続けた

懸命な時代だったのだ


我々は経済の虎だった


しかし突然その熱は冷め

泡は弾け飛び

狂乱の宴は終焉を迎えた

獣から人に帰るとその熱気は戻らず

全てが無機質になっていった


それから数十年が失われた


そして令和


今この時こそ

本当の下からの維新

民による改革

重責からの開放

政治家の緩和

銀行家の仲裁

宗教家の慰労


必要なのはそれだけだ


それさえあれば


われわれが世界を救い


中津国を超え


高天原に至るだろう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

平成 無記名 @nishishikimukina

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ