第208話 ぶち上げ
「あーコスプレな。また機会があればやりたいけど、来年は無理かなぁ。ライブもあるし、他にも色々やりたい事があるし。時間が取れないんだよね」
「衣装や小道具を作るのにも時間が掛かるしね」
コメント
・如くシリーズのクオリティ高かったもんなぁ
・あれって全部作るのにどれくらい時間が掛かったんだ?
・もっと色んなシリーズが見てみたい
話はクリスマスでサンタさんになるかーみたいな話から、コスプレの話に。残念ながら来年は出来ないだろうな。やりたい気持ちはあるけど。
「あー、コスプレで思い出したけど、タイの滅茶苦茶面白いコスプレしてる人知ってる?」
「SNSとかで探せばすぐに出てくると思うわよ」
低コストで作ってるんだけど、とにかく面白い。発想力が凄いんだ。日常にある色んなものを使って、そう来たかってコスプレがマジで笑える。
なんかハッとさせられる発想ばっかりで、普段何をしてたらこんなの思い付くんだって考えさせられるんだよね。養殖で天才になった俺達は、本物の天才に憧れてしまうもんなんだよ。
こんな恵まれた力を何故か授かってるのにわがままな事だけどね。
コメント
・知ってる知ってるwww
・なにそれ、知らない
・笑いが来た後に感心が来るよなwww
「ああいうのって思い付いた瞬間の脳汁とか半端なさそうだよな。俺なら絶対気持ち良くなっちゃう」
「変な脳内物質が出てきそうよね」
アハ体験ってやつ? 使い方が合ってるか分からないけど。
「来ちゃった、新宿歌舞伎町」
「なんかドキドキするわね…」
適当な雑談配信が終わってから数日後。俺と梓はとうとう歌舞伎町にやって来た。一回意識しだすと、行ってみたい欲がどうしても抑えられなくて。
防犯グッズやらをしっかりと装備して、警備員さんにも付いて来てもらって、万全の準備をして、足を踏み入れた。
「過剰に意識し過ぎだよ…。確かに多少は治安が悪いかもしれないけど、普通にある東京の街だよ」
「ここばっかりはどうしてもなぁ。………すげぇ! そっくりの門!!」
「へぇー…。結構忠実に再現されてるのね」
宇良さんが半ば呆れ気味に喋ってくる話の途中で、有名な歌舞伎町の赤い門が見えてテンションがぶち上がる。
いや、有名か分からないけど、如くシリーズではよく見る門だ。写真でも見た事あるけど、やっぱり生で見ると、かなりテンションが上がるな。
「ここが歌舞伎町一番街…。さあ、どこから喧嘩を売ってくる? 警察への連絡の準備は出来てるぞ!!」
「だからそんなのほとんどないって…」
俺は主人公と違って喧嘩を売られて、やってやんよとすぐに応戦したりしない。正しい対処法はすぐに警察に電話です。ここ、テストに出ますからね。覚えておくように。
防犯グッズを揃えたり、警備員さんに着いてきてもらったりしてるけど、あくまで保険だから。面倒な事なんてない方がいいに決まってる。
俺はゲームの世界にそっくりな街を楽しみたいのです。
「これ、ゲームでは行けない方向の街並みもちゃんと再現されてるのが凄いよな」
俺はスマホで写真をパシャパシャしながら、感心する。今日だけで写真フォルダがどえらい事になりそうだぜ。
歌舞伎町に来たら行きたい場所はメモってきたからな。本当にその場所があるかは分からないけど、それもまた現実とゲームの差異を楽しめて面白いだろう。
さあ、今日一日、歌舞伎町を楽しみまくってやるぜ。
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