第202話 面接
「どうも。今日はわざわざ来てくれてありがとうございます」
「ありがとうございます」
「いえっ! こちらこそ今日はよろしくお願いします!!!」
今日はVtuberの面接日である。まあ、面接って言っても俺と梓が今日会ってる人はほぼ内定が確定してるんだけど。
既にYeahTubeで活動してるVtuberをスカウトして来たからね。
俺達がVtuber事務所を立ち上げるにあたって1期生とも言うべき、最初の演者は主に宇良さんがスカウトというか、声を掛けたら面白い人材が集まってくれた。
まあ、大体は俺達の中高の知り合いなんだけど、それはさておき。
でもいきなり素人ばっかりで始めるのはちょっと怖かった。俺達には配信者としてそれなりに長いけど、Vtuberとしてはまた別の力が必要になってくるだろう。
その辺のノウハウは俺達にはまだないし、フォロー役というか、引っ張っていけるリーダー的存在がいて欲しいと思って、既に活動してる人をスカウトしようと思った訳だ。
因みに今回スカウトした演者さんは
単純に元から俺達が知らなかったのか、俺達が色々やってる影響で新しく出て来た人なのかは分からないけど、配信とかを見て直接DMをしてスカウトさせてもらった。
個人としても既にそこそこチャンネル登録者はいるし、事務所所属になると間違いなく収入は減る。いや、俺達の名前で登録者が増えて、結果的に収入は増えるかもしれないけど、個人でやるより制約やら、息苦しい事は増える。
勿論事務所所属になると、フォロー出来る事も増えるし、個人では面倒な雑事とかも事務所がフォロー出来る。税金関係とか素人がやるとマジで面倒だからね。
他にもスタジオとかの設備の提供やら、メリット、デメリットをしっかりと説明して今回の面接に漕ぎ着けた訳だ。
百々女鬼さんの中の人は社会人3年目のOLらしい。高卒で働いててゲームが大好き。で、仕事終わりにゲームしてたけど、どうせならやってるところをみんなに見てもらおうと思ったのがVtuberを始めるきっかけになったとか。
面接するにあたって配信は何回も見たけど、この人のゲームの腕前は可もなく不可もなく。本当に普通なんだけど、人気がある。
それは何故かと言うと、撮れ高に愛されてるからだ。時折、突拍子もなくスーパープレイをする事もあれば、絶対にミスっちゃいけない場面でありえないミスをしたり。
それを狙ってやってる訳でもなく、自然体でやってるからファンも見てて面白いんだろう。これもある種の才能だよね。俺と梓も何度も配信を見て笑わせてもらった。
で、もう少し配信業が波に乗ったら専業として活動しようかって思った時に俺達からスカウトの話があった訳だ。
今日実際会ってみて、とりあえず第一印象は元気がありそうな方だなって事。人となりは良さそうだけど、まだ判断するのは早いかな。
俺は自分の人を見る目に自信がある訳じゃないからね。スキルさんに頑張ってもらおう。
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最近、緋月ゆいってVtuberさんにどハマりしてます。あの人のギルクラの歌が素晴らしすぎて。
まだ知らない人は是非聞いてみてください。他の歌もかなりお上手なので。
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