第131話 お勉強


 「詐欺じゃん。訴えてやろうか」


 「たまにあるわよね」


 なんか無性にカップラーメンが食べたくなって、梓と二人で準備をしてたんだけど。


 袋にどちらからでも切れますって書いてあるのに、どちらからでも切れない。

 詐欺ですよ詐欺。なんか滅茶苦茶どうでも良い事なんだけど、これってムカつくんだよね。


 で、無理やり切ろうとしたら勢い余ってぶわぁってなるんだ。今回は素直にハサミを使わせてもらいますが。なんか負けた気になる。


 ズルズルとカップラーメンを啜りながら、パソコンをチェック。投資関係は非常に順調。株は所々、回帰前とズレてるところはあるけど、大幅に変わってる訳じゃない。


 FXはスキルがあるからもっと順調だ。

 本当は株よりギャンブル味があって、細心の注意を払わないと危険なんだけどね。


 政治家のちょっとした発言とか国が市場に介入してきたら、マジで面倒な事になるし。

 ちゃんと保険は用意してあるけど、基本的にスキルを全面的に信用してるので。


 安心して取引させてもらってます。


 「あ、そういえば今日って宇良さんが来る日じゃなかった?」


 「そうよ。そろそろじゃないかしら」


 宇良さんはこの前免許を取って車を買ったらしい。で、運転の練習がてら家にやって来るという訳だ。


 一応他にも理由はあるけど。


 カップラーメンを食べ終えてパソコンを弄りながらアプリの周回をしてると、宇良さんが到着。


 「相変わらず大きい家だねー」


 門を開けて駐車場に案内する。

 宇良さんはもう何回も家に来てるからね。迷ったりはしなかったらしい。


 「ミニクーパーにしたんだ」


 「そうだよ! 可愛いでしょ?」


 可愛いのかな? まあ、感性は人それぞれだならなんとも言えないけど。

 車に詳しくないからね。俺のジャガーがカッコいいって言ってるのと同じ感じかな。


 「あーでもこのN-BOX? も可愛いかも」


 駐車場に並んでる車を見て宇良さんはしみじみと呟く。我が家にはジャガー以外にN-BOXとアルファードがある。


 N-BOXは母親ーズが使うやつ。アルファードはデカい車が欲しくて買った。


 母親ーズはジャガーとかぶつけるのが嫌で引っ越して早々にN-BOX自分達で買ってた。

 アルファードは車で旅行とかするかなーと思って買ったけど、あんまり使ってない。


 まあ、車の話はさておき。


 「ご指導お願いします!」


 「うむ」


 宇良さんは鞄からパソコンを取り出す。

 今日は投資のお勉強と、護身術のお勉強をする予定です。


 投資の方は既にちょこちょこ教えてて、段々と利益が出てきてるらしい。最初の額が少なかったから、まだちょびっとだけど、これからどんどん利益が膨れ上がっていく事だろう。


 自分でもしっかり勉強してるみたいだし、調子に乗らないように釘を刺しておけば大丈夫だと思う。


 「欲しいカメラがあるんだよねぇ」


 だ、大丈夫だと思う。目先の利益に飛び付かないように注意せねば。




 護身術の指導は主に梓が行う。

 家にあるジムのスペースの一角で入念に。


 俺達の身の回りがいつ危なくなるか分からないからね。最近は外にあんまり出てないから鳴りを潜めてるけど、そろそろ休みが終わって大学生活が再開される。


 俺達に一番近い宇良さんが今の所一番危ないんだ。既に警察や弁護士さんにも相談だけはしてるんだけどね。


 警察はやっぱり動きが鈍い。まあ、俺達が被害届とか出してないから当たり前なんだけど。


 「初動さえ逃げ切れば後はなんとかなるわよ。ちゃんと防犯グッズは持ってるわね?」


 「肌身離さず持ってるよ!」


 「良い? 万が一襲われる状況になっても焦らないこと。冷静に対処すれば切り抜けられるはずよ。いきなり刺してきたりしたらどうしようもないけどね」


 「こ、怖い事言わないでよ…」


 「後は躊躇しない事ね」


 物騒な事を言ってるけどその通りなんだよね。焦ったり躊躇したりするのが一番良くない。


 もし掴まれたりしたらその指をへし折るぐらいの気概がないとね。

 まあ、過剰な防衛は平和ボケしてる日本では滅茶苦茶叩かれるけど。


 襲われる側の立場になった事ないからそういう事が言えるんだよ。いざというときは躊躇しない。とても大事な事なのです。


 「ふぅ。二人も大変だね」


 まあ、ある程度覚悟はしてた事さ。

 ここまで過激な感じになるとは思ってなかったけど。ちょっぴり目論見が甘かったね。


 学校が始まるのは楽しみだけど、ちょっと面倒だなーとか思っちゃったり。

 さっさと卒業して好き放題やりたいもんだ。


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 はい。って事で今章は終了です。

 お疲れ様でした。


 大学生活スタートって事で始まった今章ですが、作者が高卒なせいでいまいち大学生活がイメージできず…。想像で書いたり、色んな作品を参考にしたんですけど、いかがだったでしょうか。


 次章からは少し駆け足で大学生活を進めつつ、配信をしつつみたいな感じになるかなと思います。


 何かこんな配信して欲しいみたいな意見があったら是非コメントにて。採用出来るかは分かりませんが、参考にさせて頂きます。


 ではではまた次章で〜。


 あ、作者は他にも作品を更新してるので、良かったらそちらもご覧くださーい。

 

 

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