第7話
「SPが2,あるな」
ロリ姉さんのステータスを眺めながら俺は呟いた。姉さんの説明によると、確かSPはSであればある程高く出る数値だったはず。つまり、これは……。
「ち、違うからね? 普通は特にSとかMでなくても両方の数値があるし、10を下回る数値だと性癖はノーマルとして扱われるんだから! だからわたしはあくまでもどちらかというとちょっとだけMっぽくないこともないノーマルな女の子なんだからそのへん勘違いしないでよね!」
俺が自分に都合の良い希望的観測を口にしようとしているのを察してか、ロリ姉さんは顔を赤くしながら早口に捲し立ててくる。
「いや、でもMP2に対してSPは7、つまりはM度に対して2/7の割合でS! これは俺自信との相対評価にすればこのお方はロリ鬼畜的ドS姉さんといっても過言では……」
「過言だーーーー!」
ゴスン!
と、またブレスレットで頭をチョップされる。
「あいたっ、ロリ姉さんの奥底に眠るSの暴発チョップ痛いー!」
『ロリ姉さんがS姉さんに目覚めたかも』と、期待感に胸をボッキさせながら地面に倒れ額を抑えながら俺は地面をのたうちまわる。
「ちょ! ……キミ本当はドSだよね? さっきからずっとわたしのことイジってるよね?」
顔を赤くしたまま叫ぶロリ姉さんに、俺はひとしきり痛がる(姿をロリ姉さんに見られる羞恥プレイを楽しむ)ことを味わったあと、ドヤ顔でこう言った。
「ふっ、俺はドMだ! そして俺に比べればロリ姉さんはドSなのだ! 見るがいい!」
と、俺は力強く両手を天に掲げ、自らの変態で恥ずかしいステータスをロリ姉さんに見られたいと強く願う。そのステータスを見たロリ姉さんになじられたいんだと神に向かって強く心を届けてやる。
「こ、これは……」
すると空には、なぜか白く輝く板が現れ、そこには、
タイゾー
職業:プロのマゾヒスト
Lv:1
HP:9982
MP:9999
力:1
体力:1
素早さ:1
知能:1
精神:1
魔力:1
運:1
EXP:0
SP:0
という、先程確認したのと同じ(ロリ姉さんにチョップされてHPがちょっと減っている)ステータスが表示される。
「え? まさか、……ザーメニウム製ステータスパネル? っていうか何あのHPとMP、まさかこの人伝説の……?」
俺のステータス板を驚愕しながら眺めるロリ姉さんに、俺はいっそうドヤ顔で力強く言い放つ。
「見たかロリ姉さんよ! これが本物のドMだ! MP:9999に対してSPはゼロ! MP分のSPは無量大数を超えて無限大! そして姉さんのMP分のSPは2/7! つまり、ロリ姉さんのSっ気は俺のSっ気の無限倍だ! これをドSといわずして誰をドSと言えようか!!」
ロリ姉さんは口をあんぐりと開けて固まっている。どうやら俺のドMが凄すぎて引いてしまっているようだ。ドM過ぎてドン引き、……ふむ、それもまたありだな。
「さて、ロリ姉さんよこれでわかったか? いくら自分で自分はMだと言い聞かせようが、キングオブドMであるこの俺の前においてはアンタはもはやドSなんだ! さあ、諦めて俺を性的にいじめるがいい!」
俺が両手を広げてそう言い放ってやると、ロリ姉さんはかすれたような声で、
「タイゾー、キミはもしや、…………伝説のドM勇者」
なんて事を言う。なんだよドM勇者って、ドMに勇敢さなんかあるわけないだろいい加減にしろ。
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