第25話 ハロウィン

「末莉から家にお誘いなんて珍しいね~」

「確かにね。…これはなにかあるに違いないわ。」

「も~流石に疑いすぎ…あ、着いたね」


ピンポーンとベルを鳴らす。


一瞬遅れてドアが開く。出てきたのは…ゾンビ(末莉)だった。


「きゃああ!」

驚く籠女。むしろ想定内だったとでも言う雰囲気の葵。

「とりっくおあとり」

「だまらっしゃい!!」

「あだっ!せ、せめて最後まで言わせろよ~」


案の定、葵にひっぱたかれる末莉。籠女は葵の陰に隠れている。

「なに…?その怖いの…」

「そういえば今日はハロウィンだったわね。」

「はろうぃん…?」

「こうやって仮装してお菓子を貰うんだよ~」

「で、でもわたし、今日はお菓子持ってきてないよ…」

「いつもは持ってるのね…。」

「大丈夫だ!そんな事もあろうかと、今日はウチでパーティだ!」

「それは良いけど、あなたはまずその仮装を落としてらっしゃいな。籠女が怖がるわ。」

「へーい。んじゃ二人は中入ってて~」

「お邪魔しま~す」



「わぁ、きれい!」

「なかなか凝ってるじゃない。」

「だろ~?飾り付け頑張ったんだぜー。一人で…」

「家族の人は?」

「旅行中でいない…」

「…いつから頑張ってたのよ…。」

「…くすっ」

「いいから!料理も用意してあるし!!食おうぜ!」



「わぁ!かぼちゃケーキだー。好き~」

「こっちのパイも美味しいわ。作ったの?」

「まぁな!試作品は散々だったが」


末莉の意外な特技に驚きながらも料理を食べる二人だった。

…その後、末莉に仮装させられて街を歩く可愛らしい三人が居たという噂。

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