第24話 紅葉狩り

学校のお昼ご飯中…。


「外もすっかり色づいてきたなぁ」


末莉がお弁当を食べながら言う。


「あら、あなたにしては情緒あるわね。」

「人を何だと思ってるんじゃい。…そうだ!紅葉狩り行こうぜ!」

「前言撤回。やっぱり無鉄砲だわ…。」


「何のはなし?」

職員室に用があった籠女が合流する。

「おっ、籠女。今度の日曜空いてる?」

「えっ…えっと…」

「何で言い淀むのよ…。」

「紅葉狩り、行こうぜ!」

「は、はい…」

「あなたが赤くなってどうするのよ。」


お昼を食べた後、3人で図書館で資料探し。


「ん~~そんな遠くに行くつもりもないしなぁ…お?これなんてどうよ」

「良いんじゃない?茶屋でのんびり観光、ね。」

「おだんご食べたい~~」

「はいはい、行ってからね。」

「よっし、決まりだな!」



その日曜。3人は電車に揺られていた。


「絶好の狩り日和だぜ!」

「何を狩るのよ。物騒だわ。あとうるさい。」

「空いてるねー。のんびり……」

「寝るなよー」


目的の場所のある駅に到着。


「うとうと…」

「言わんこっちゃない。これから歩くんだぞー」

「ほらほら、ちゃんと景色を見なさいな。」



「すごいねー、きれい」

「あんまり道から外れるなよー?」

「ちょっと、怖い事言わないでよ…。」

「あり得ないと思えるか?」

「否定できないのがなんともいえないわね…。」



無事、茶屋に着いた三人は、それぞれ思い思いの食べ物を頼み…


「おだんごおいしい!」

「これもイケるな!籠女、食べてみるか?」

「もぐもぐ…おいしい!」

「…餌付け?」


最後にお茶と飴玉を貰って、来た道を戻る面々だった。


「いやー楽しかったな!」

「おいしかった!」

「…きれいだったという感想がないのが悲しくなるわね。」

「ま、たまにはこういうのもアリだな!」

「また来たいねー」

「そうね。また、来年…かしら。」



そして秋は続いていく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る