第18話 リゾート①

某日、籠女の家。


「あ!二人とも来てくれたんだね。ようこそー」

「ちぃーっす…暑ぃ…」

「こんにちは。…末莉、服はだけすぎよ。こっちが見てられないわ」

「中に水着着てるから平気っすわー!!はーっはっは!!」

「本当に小学生ね…むしろ幼稚園児からやり直したら?」

「ひでぇ」



「で…籠女よ。どこに行こうというのかね」

「その発言は色々と危ないからやめなさい。」

「えっとね…それは…お母さんのリゾートホテルに!」

「なにィッ!?」

「本当に凄いのね…あなたのお母さんって…」

「えへへ…都合がつかなかったお詫びにって、招待してくれたんだよ~」

「こうしちゃいられないな!早速行こうぜ!!」

「落ち着きなさいよ…でも、楽しみね。」



「はーい、三人とも、迎えに来たわよ~!」

「あ、お母さん~」

「お世話になりますッ!」

「末莉うるさい。あの…今日はありがとうございます。」

「いいのいいの!楽しんでくれれば嬉しいわ!」


籠女母の車で30分ほど…走ったところは楽園だった。


「すっげーーー!!なんでもあるぞ!!」

「ち、ちょっと末莉、もう少し声のトーン下がらないの…?」

「これが興奮せずにいられるかー!」

「ほかの人の迷惑になっちゃうでしょ!」

「貸し切りだよ?」

「えっ」


「うふふ、喜んでくれたようで何よりだわ。お昼は運ばせるから、それまでごゆっくり~」


「…なんていうか…スケールが違うな!」

「そ、そうね…」

「ねぇねぇ、早く着替えて遊ぼうよぅ」

「ハッ!そうだな!今日はとことん遊ぶぞー!!」

「まったく…もう。ま、いいか」



「うひょー!どこまでも泳げる!」

「あ、末莉ちゃん、そっち、確か深く…」

「それを先にがぼごぼげぼがぼ」

「何をやってるのかしら……」


「ほーら籠女、念願の流されるプールだぞ~」

「そんな簡単に流されるわけ…ないよ」


どばっしゃー!  「かごめは ながされた!」


「けほけほ…いつもは流されないのに……?」


遠くで水流の勢いのスイッチを全開にしている末莉の姿。


「むむぅ。」

「くぉら!末莉!勝手に弄っちゃダメでしょーが!」


葵の喝が飛ぶ。


「なはは!すまんすまんて。…そういや腹減ったなー」

「もうすぐお昼よ。上がってきなさいな。」

「葵ちゃん、本当に泳がないの?」

「えぇ、私は遠慮しとくわ。」



「お昼をお持ちしました。」


「おお!これまたすげぇな…!」

「色々あるわね…」

「はむはむはむはむ…」

「もう食ってるし」


いつものように、サンドウィッチをパクつく籠女と、いろんな料理に圧倒される二人。


「んまい!」

「おいしいわね。」


満腹で気持ちよくなった三人はその後、ホテルの方に案内された。


「いやー食った食った。しかもこの待遇。最高かよ」

「そうね…なかなかできない体験だわ。」

「泊っていっていいって~。」

「マジかよ!神様仏様籠女様…」

「でも、私、今日外泊するって言ってきてないわ…」

「あ、それなら大丈夫だと思う…お母さんが話しといたって」

「そ、そうなの。本当に何から何まで悪いわね」

「うん。のんびりしよー」

「あなたはいつもでしょ…」


言われるがまま、のんびり過ごす三人だった。

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