第17話 残暑厳し。

制服をパタパタと広げながら、末莉は


「ふあー。まだあっついなー!そろそろ冬になってくんね?」

「季節を一つ飛ばしてるわよ。それに、はしたない!」


案の定、葵に咎められる。


そこに、籠女が駆けてきて、

「ご、ごめんね!掃除がちょっと長引いちゃって…」

「急いでくる必要ないのに…じゃあ、帰りましょうか。」


3人揃ったところで下校。


帰路の途中、こんな話に。


「そういやさ」

「どうしたの?末莉ちゃん。」

「私ら、海行ってないよね」

「悪いけど私は海はパス。」

「はええな。ま、もう若干時期遅れな感じもあるしなー」


葵が頑なに海を嫌がる理由は、二人も知っている。そこで考え込む籠女…。


「…そうだ!」

「うおっ。どうした?籠女。」

「今度の週末、水着持って家に来て~。」

「え…いいけど、またあの空気プールか?流石に勘弁だぞ…。」

「違うよ~!もっといい所!お母さんに頼んでみるから!」

「ほほう。籠女がそこまで言うなら付き合ってやらん事もない。」

「…何様かしら。…持っていくのは水着だけでいいの?」

「うん!楽しみにしててね!」



約束をして、3人はそれぞれの道に分かれた。

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