第15話 お勉強も大事です!

翌日。籠女のお母さんがこっそり籠女の部屋を覗いてみると…


「あらあら…うふふ」


ベッドには誰も寝ておらず、床で川の字になって仲良く寝ている3人だった。


「むにゃむにゃ…末莉ちゃん…葵ちゃん…大好き…すやぁ」


「ん、んんっ…」

「あれ?なんで床で寝てんだっけ」


一番先に起きる葵と、酔っ払いみたいな事を言いながら起きる末莉。


「まぁ…たまにはこういうのも」

「良いかもな。へへっ」


二人は真ん中でぐっすり寝ていた籠女の両頬にキスをした。





「でも、テスト勉強は嫌いだあぁぁぁぁぁ~~~!!」

「うるさいわよ、末莉。」


籠女たちの学年では、テスト範囲が発表されていた。

流石に赤点を取るわけにもいかず、籠女の部屋でお勉強会が開かれていた。


「あ、あはは…はい、ジュース持ってきたよ」

「お、サンキュな籠女。」

「あら?今回は随分余裕なのね、籠女は」

「うん~、だから、末莉ちゃんのお勉強見てあげて~」

「しっかたないわねぇ」

「そ、そこまであからさまに嫌そうにするなよぅ」


末莉は葵に投げて、籠女はいそいそと英語のリスニングの準備を始める。


暫くたった後…

「なぁ~、籠女~~!葵の鞭が痛いよ~」

「貴女の物分かりが悪すぎるのよ!ほら、籠女の邪魔しない!」

「うぅ~…あ、こいつイヤホンしてやがる。…ふっふふ…」


末莉がコップから氷を1つ取り出す。

「貴女、それどうするの…ってまさか」

お決まりのごとく、籠女の背中に氷を突っ込む末莉。

「ひゃぁん!?な、なに…?」

「あー可愛い。録音していい?」

「このっ…ド変態!!」

「ぐはぁっ」

葵から末莉に別の意味で突っ込みが入る。


「もう…集中してたのに…」

本をパタンと閉じる籠女。

「でも、もういい時間だね」


外は夕暮れ時だった。


「そうだなー。この辺にしとくかー。」

「そうね。末莉は家でもちゃんと勉強しなさいよ?」

「へーい」

「絶対しそうにないわね…。」



そんなこんなでその日は解散となった。

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