第14話 一周回りて

二人より先に帰宅した籠女。不思議に思った母が


「あら?籠女一人?何かあったの?」

様子のおかしい籠女を見て、テーブルについて、改めて聞く母。

「…喧嘩でもしちゃった?」

「喧嘩なんかしないよ!…あのっ、今は葵ちゃんには秘密にしておいてほしい…その…末莉ちゃんとキス…して…」

「ん~3人これからも仲良くするなら…内緒にするのはちょっと辛いわねぇ」

「でも…これからどうしたら…」

「ん?考えることないんじゃない?お母さんがいた国では、キスなんて挨拶代わりだったわよ」

「文化が違うよぉ~~~」



「ただいま~」

「戻りました」

「あわっ!帰ってきちゃった!お母さん、お願いね!」

「お願い、と言われましても」


「おかえりなさ~い、ごめんね?先に帰っちゃって…」

「あ、あぁ」

「籠女、調子悪かった?…なんか末莉も変なんだけどね」


「お風呂でちゃんと身体温めないと駄目よ~。」

「はーい」



その後、お風呂に3人で入り、晩御飯を食べ…

のんびりとした時間を過ごした。そして、


「じゃあ…電気消すね?」



…。

「ふたりとも、おきてる?」

「う、うん」

「えぇ、どうしたの?眠れないの?」


「あのね、大事なお話があるの…」


「プールの時、末莉ちゃんとキス…したの。」

「…それで様子が変だったのね」

「でも、葵ちゃんの事考えたら、考えがくしゃくしゃになって…ごめんね、二人とも…」

「べ、別に籠女が謝る事じゃ…」

「じゃあこうしましょうか…んっ」

「ふぇっ!?」


なんと葵が籠女の首筋にキスをした。

「大丈夫よ、友達同士のキスくらい、私だってできるわ。…もしかしてそんな事で私たちの絆、なくなっちゃうと思った?」

「くっ、くくっ…」

「末莉ちゃん…?」

「葵のキス魔ー!やーい」

「ち、違うわよ!?」


二人が言い合ってる中、籠女は、改めて三人の絆の強さを感じた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る