恋焦がれし夏

第12話 予行演習?

籠女宅。そこでは謎の撮影会が行われていた。


「こんな感じで、いいのかな…?」

「とてもっ!似合ってるとっ!思います!!」 パシャパシャ

「なんで友達の水着姿の写真撮ってるのよ…段々末莉の事が心配になってきたわ」

「葵さんも!ホラ!」

「流石に撮らないわよ…それよりもなんで私たち、もう水着?プール行くんじゃないの?」

「あ、それならー…」


籠女が庭の方を指さした。…ビニールプールが設置されている。かなり大きい。

「朝、お兄ちゃんが作ってくれたんだよー。あ、あとこれお母さんから~」

「書き置き?なにかしら」


『ごめんね~!忙しくて一緒に行けそうにないの!保護者なしじゃ心配で…冷蔵庫とかに色々入ってるから今日はここで過ごしていってちょうだい!』


「…というわけで、流されるプールはまた今度ということでー」

「流れるプールな。籠女はあながち間違っちゃいないが」


そこからは、なんだかんだ言って3人共それぞれの形でお庭プールを楽しんだ。

籠女と末莉はプールで水鉄砲合戦。葵はその声を聞きながら、日陰のイスでのんびりと読書。時々、籠女から、嬌声にも似た声が聞こえるのが不安だったが…。


そこへ籠女のお母さんが帰ってきたのか、

「お、やってるわね~。今日はごめんね!おにぎり握ったから休憩したら~?」

「はーい!」


「んまい!」

「末莉、籠女に変な事してないでしょうね?」

「してないって!たまには私を信用しろよ~」

「普段の行いが悪いのよ。籠女も困ったら言うのよ…籠女?」

「~~!!」

梅干しのおにぎりを引いて顔がきゅーっとなっている籠女であった。



午後はほどほどに遊び、お風呂で身体を温めた。


「次はおっきいプール行きたいね!」

「そーだなー」

「思いっきり泳ぎたいわね」

「泳げないくせに」

「何 か 言 っ た ?」

「いえ、なーんにも。にししっ。なっ!籠女!」

「ひゃっ!」

「こらぁぁぁ!!」


いつも通りの展開であった。

髪を乾かし…

その日はそのまま解散した。

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