第4話 風邪

「37.6℃…風邪ねー」

「うぅ~…まだなんとかなる…まだ舞える…」

「何がよ。人にうつしたら大変でしょうが。二人には言っとくから、今日は休みなさい。後でお粥作ってきてあげるから待っててね。」


「ううっ…汗冷えしちゃった…着替えよ…」


ガチャッ

「おう、借りてた漫画、返しに来たぞ…あっ!?」

突然の乱入者。そこには、生まれたままの姿の籠女。

しかし、特に恥ずかしがることもなく、

「急にびっくりしたぁ。もー…お兄ちゃん…ノックくらいして~…」

「すっ、すまん!ほ!本!ここに置いとくから!」

「お兄ちゃん?どうしたんだろ?」



お粥を食べて薬も飲んで、すやぁ…っといきそうだったその時、


コン、コン…

弱めにドアをノックされる。お兄ちゃんかな?


「はーい」

「お、おう、りんご、剥いてやるよ」

「えへへ、ありがと~~」

「その…怒ってないのか?」

「何をー?」

「さっきの…事…裸…」

「きゃーえっちー」

「うわぁぁぁぁ!!」

「あはは、冗談冗談~。んっ、りんご、おいしいよ!お兄ちゃんも食べようよ」

「あい…うん、うめえ」


「あら…まったく。妹が心配なのはわかるけど、そろそろ寝かせてやりなさい」

「そ、そうだな!余ったりんご、ここに置いとくから勝手に食えよ!」

「ふふ…いつまで経っても妹離れができない兄ねぇ」

「優しいから、好き~。」

「貴女も貴女ねぇ。仕方のない兄妹だこと。…お母さんちょっと出かけてくるから帰りは夕方になるけど大丈夫?」


「…すやー。」

寝てた。


その少し後。


トントン…

ノック音が響く。


「もしもーし、こちら末莉…って寝てるか」

「寝かしておいてあげましょう」

「早く元気になれよ~」

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