第15話
ダンジョンに潜る時間を減らし新たな魔法少女を探しを開始した。
青龍の加護のあるここなら水の精霊・衣装とも親和性は高いだろうと思っていたがどうやら青龍は土属性、そこから派生した植物魔法に長けているようだ。長けているといっても肉弾戦が好きらしいが。
候補者なら何人かすぐ見つかるのではと思っていたが勘違いもあり時間がかかってしまっている。そんな中ようやく水精霊がとある施設の前で反応を示した。そこは奴隷商であり水精霊は地下に適性者がいると伝えてくる。つまりはそういう事なのだろう。奴隷の少女か…興味はないけどね、いざという時のためだから相手と値段の確認だけでもね。
そう言い訳し商店へと踏み入った。
受付を済ますと商談のため奥に連れてこられた。道中意外と綺麗に掃除されているし受付の対応も嫌らしさを感じなかった。応接間に通され少々お待ち下さい、とお茶を出すとスタッフは退室していった。しばらくすると店主と思われる男があらわれさっそく商談がはじまった。
「当店をご利用いただき誠にありがとうございます。本日はどのような商品をお求めでしょうか?ご希望に沿う商品があれば連れてまいります。」
「16前後の少女で水魔法が使える人を見せてほしい。ついでに相場も教えて貰えるか。」
「かしこまりました。相場ですが若い女性で水魔法をとなると個体にも寄りますが金貨30枚からとなります。では連れてこさせますのでお待ち下さい。」
そう言うとベルをならしやって来たスタッフに耳打ちをしていた。
それから店主と雑談を交わす。用途を聞かれソロの冒険者だから戦力増強と飲水確保の為と応える。
そこで念の為と前置きされこの国の奴隷制度について軽い説明をされた。
同意のない性行為・肉壁として扱い死傷させた場合は罪に問われると。確かに要望や用途を見るとそう思われても仕方がないので弁明はしておいた。
「そう言えば自己紹介がまだでしたね。私はシンシャと申します。」
「俺はショウだ。よろしく頼む。」
そう言うと少し態度が軟化した。どうやらこの奴隷商は孤児院の出資者らしく寄付をしている俺の事を知っていたそうだ。
そこから少し踏み込んだ話も聞けた。この商会は借金奴隷となる子どもを保護するために設立されたとの事だ。初見の客には割高に提示し、購入後もできる範囲で様子を探りその結果、扱いが悪い客とは取引をやめ場合によっては通報している。
商品や個体という言い方について突っ込むと
「情が移りすぎると困るので」と苦笑していた。自分もつい孤児院を思い浮かべてしまいつられて笑ってしまった。
そうしているうちに連れてこられた奴隷は5人。どの子も体調が悪い様子も痩せている様にも見えず先程の話も少し信じる事が出来た。しかし残念ながら水精霊はまだ地下に反応を示している。
他に水魔法使いの使い手について訪ねると男を含めいないらしい。魔法少女の適性のある人なんて言っても伝わらないし…もう直接地下を案内してもらえないかと聞いてみた。教育が終わってない商品もいるので粗相があっても気にしないのであれば。と言われ了承した。そして案内に続き見て回るも水精霊は反応しなかった。
他にいないのかと聞くと後は犯罪奴隷が少しいるらしい。犯罪者を仲間にするのは戸惑われるが確認だけすることにした。
そうして見ていくとようやく水精霊が反応を示した。対象を見て動揺するが今後のためにも過度な反応をしないように気をつける。
「この人はどんな罪を犯したんだ?」
そう聞くもスタッフは困ったような顔をしてなかなか言いたがらない。そんな重犯罪者なのだろうか。そして重い口を開く。
「この商品は犯罪ではなく借金で奴隷落ちしております。なんと言いますか…その子どもの奴隷達と一緒に収容するのはどうも…。」
と凄い言いづらそうにしている。俺もその気持ちは分かるので手で制する。なぜなら
『魔法少女グッズを身につけたおっさん』
がそこにいたからだ。
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