第2話

 召喚された建物(黄国首城というらしい)を出て情報収集を兼ね城下町をお散歩しようと歩き出した。

 おっさんは慌てない。


 情報収集と言えば新聞や週刊誌と思いコンビニを探すもそんな物は当然無かった。

 巫女さんが可愛かったから袋とじにも期待していたのだが諦めて酒場を探すことにした。



 酒場を併設している冒険者ギルドなる物を発見し中へと入る。

 受付にいるスキンヘッドの強面のおっさんに魔王の侵攻や付近の地理、歴史について尋ねるも何も知らない事を不審がられ異界からの召喚者である事を口外しないよう頼みつつ明かす。


 巻き込まれ帰れない事に同情したスキンヘッドのおっさん(ウミズさんというらしい)に色々と情報をもらい身分証代わりにもなるという冒険者登録を無料でしてもらう事が出来た。


「がはははは!ショウのおっさんまた来いよ!次は酒でも飲もうぜ!」

「ああウミズのおっさんも達者でな!」



 俺の現状を把握しているウミズとすぐ別れるのは不安だがそれ以上に生徒達の近くにいるのは嫌な予感がする。



ーーーーーー


 市場に寄った後、ウミズから教わった情報を整理しつつ東に向かって歩きだす。


 冒険者についてだがGランクから始まりFEDCBAと上がっていき最高位はSランク。討伐、採取、護衛などの依頼を成功していく事で昇格するらしい。

 そして努力にもよるがステータスの最高値がその人の生涯冒険者ランクになる事が多い。

 俺のステータスはMPがCではあるが歳を考えればEランクくらいで満足するべきとの事だ。質素に暮らす分には大丈夫だが貯蓄がなければスラム落ちする可能性もあるランクだそうだ。

 ちなみにステータスのランクは現在値ではなく成長率、才能らしい。


(老化による減衰じゃなくてあいつらに比べ俺は本当に才能がないのか…)


 まぁやつらは聖獣様とやらの加護で強化されているのだろう。悔しく思うがそう自分を慰めることにした。



 次に黄国の地理と特色だが

 位置:地名ー守護聖獣ー文化的特色ー軍の特色


 中央:黄領ー黄龍ー占術ー防衛兵

 北部:黒領ー玄武ー医術ー衛兵生

 東部:青領ー青龍ー脳筋ー脳筋

 南部:赤領ー朱雀ー芸術ー工兵

 西武:白領ー白虎ー商業ー諜報兵



 地球の知識を活かし金儲けをと思ったが生徒達には権力者もついているため勝てないだろう。

 中央は生徒がいるし、芸術などわからん。

 北部は惹かれるが患者側では生活費は稼げない。という訳で消極的な選択ではあるが東部に向かうことにしている。

 強面のウミズが脳筋としか言えない時点で相当脳筋なのたろう。イメージでしかないが気のいいやつが多かったり周りの人間が強ければその分魔王軍から守って貰えるだろうという訳だ。



 節約のためでもあるが黄領は防衛戦に強く治安維持にも力を入れているため弱い魔物をたまに見かける程度なので安全なレベリングとスキルの変身(少女)を試すべく人目の無い場所を探しながらおっさんは歩いていく。

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