第2話  問答無用の母様

 首根っこをつままれて、そのまま連れていかれる。

 部屋を出るとビロードの絨毯じゅうたんが敷かれた長い廊下があり、その脇にはいくつものドアがあった。

「このわたくしがあなたを淑女レディにしてあげてよ」

「……(こく)」

わたくしに対し不躾ぶしつけではなくて?」

「……(こく)」

「不躾でしてよ‼」

 憤怒するシャーロットに、少女は無表情。

「………(ぺこり)」

 「それでよくてよ」

 少女は宙ぶらりん状態で、歩こうと足を動かした。ただバタバタしているようにしか見えない。

 ドレスを揺らして義母が歩く。突き当りの部屋にポイッと放り込まれた。

「ゔ」

 ズシャッと顔面強打する。赤い顔を上げると、猫足バスタブとシャワーが目の前に。

わたくしがあなたを綺麗にしてあげるわ」

 汚れた服に、彼女の手が伸びた。服を脱がせようとするシャーロットと、しがみ付いて阻止しする少女。

「およしなさい」

 問答無用でポイッとワンピースは脱がされ、湯にボッチャーンと放り込まれた。

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