目指すべきところ

 宇宙船の窓から水色の宝石を白色矮星に照らす、明るさに目を細めると遠くのほうで微かに第三の地球が見える、そういえば、人々が宇宙空間を旅するようになってから総人口は500億人になっている、もはや増えすぎて何が何だかわかりはしない、原初の地球と第二、第三、そして見つかったばかりの四つ目の地球があり、それぞれに人間が暮らし生活している。

 しかしこれほど進歩した世界でも人間はいつまでたっても同じことを繰り返しているのが笑える、人間は人間としてしか生きていけない定めのようだ。

 一時期はシンギュラリティという技術が旺盛した時代もあったが、そんなの不老不死の幻想でしかない、肉体のみならず意識も死を迎えることがわかったことがその時代の功績だろう。

 そこからしばらくして人類は元の姿にもどった、その方が都合がよかったのだ、快楽はどうやら意識だけでは味わえないらしい、いやらしい意味じゃなくエクスタシーこそ生きる原動力なんだろう。

 この水色の宝石をキレイと感じる生身の生命は誰にも見つけられない、唯一見つけられたのは一人だけ、King b...彼ひとりだけだ。

 

 俺たちは彼が向かったであろう終わりの惑星を目指している...

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King b 満梛 陽焚 @churyuho

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