きまぐれ

 今日の待ち合わせは東新宿のファミレスだった。テーブル席では馬鹿げた若者たちが楽しそうに輝いている、その周りで気の狂った中年や死にそうな未亡人がふざけた料理に陰気な舌鼓を打っていた。

 一体こやつらはどこから湧いてくるのかと想像し人間という生き物の奥深さを感じていると、注文を受けた不愛想なロボットが首をふりふり私のテーブルにケーキを運んできた、なんとも無味である。


 「それで、これからどうしたいの...」


 彼女は私に尋ねた、私は何も答えずケーキを頬張りコーヒーを飲んで無視するので、彼女は「はあ」とため息をついて立ち去った。

 なんでだろう、こんな時にアイデア湧いた、そうだ冷凍保存してあった彼の脳みそに答えなんてなかったのだ、時代空間に繋げてこその生命の記憶であったのだ、こんな簡単なことに気が付かなかったとは...

 私は一目散にこの途方もない雑多な社会に別れを告げて自宅へもどった。


 「ただいま、帰ったよ、Toki...」

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