靴底の樹液

 ティンバレンのうす汚れた靴の底にはアマゾンの樹木特有の粘り気の強い真っ赤な樹液がこびり付いていた。

 

 「おい、ティンバレン、ひとまず靴底のそれをこそぎ落とせ、それじゃ歩きずらくてこの先の石だらけの平原じゃ置いてけぼりをくっちまうぞ」


 火星によく似た星『パデマクート』では、三か月ほどKing bの調査のため探検したが、彼に繋がる手がかりどころか、人類の痕跡などなにひとつとして見つからず収穫はなにもなかった。   

 パデマクートはただただ植物が生い茂るだけの退屈な星だった、唯一の救いはここで取れるバナナが最高においしいということ。

 それとあとひとつおもしろいことがあった、真っ赤な樹液と削れた鉱物の粉末が交じり合ったらキラキラとキレイな水色の宝石に変化した。このことは誰にも言わずに宝石はポケットにしまっておいた。


 

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