第33話 人恋を殺された男
残念ながら、彼らコボルトがなぜここにいたのかは、所持品から推測できなかった。
回収できた物は、すべてコボルトの子供たちへと返却した。
遺髪も少し、念の為取って置いて良かった。
刈り取られたミルス草は、コボルト3人の子供の内、怯えて剣を持たなかった子が所持していた。
「簡単に譲って貰う訳には、いかないよね…」
「こういうのはもう、理屈じゃないからな。そもそも子供に理屈は通じ辛いが…、とはいえこっちも時間がない。絵でもなんでも使って、誠心誠意交渉するしかないな」
初手に土下座をして、黒い煙を上げながら、苦しそうに嘔吐する男性の絵を簡素に描く。
ミルス草を指さした後に、妊婦とその男性が笑っている絵を描いて見せた。
ある程度それで状況が伝わったらしく、子どもたちは拙い絵で応じてくれた。
彼らはミルス草を指さした後に、自分たちが持っていた銅貨を見せてくれた。
ミルス草を採取していたのは、換金目的だったらしい。相場よりも高めの金額を払うと、交換に応じてくれた。
金勘定が少しでも出来る子がいて、本当に助かった。
でなければ、もっと時間がかかってしまったかもしれない。
「よし、タロッキ、岩場の隙間から翔べそうか?」
「ある程度岩をどければ、行けそうかな」
「なら、予定通り先に村へ帰還してくれ。ホルターを頼んだぞ」
「任せて。みんな、必ずホルターお兄ちゃんを助けるから、無事に合流。約束だよ?」
鉄製の丈夫な缶にミルス草の束を詰め込んで、タロッキに預けた。
彼女は翼をはためかせて、岩の裂け目を広げて、翼を輝かせて飛んで行った。
これで、できる限りの事はした。道を戻るのはセンチピートと、コボルトの死臭が漂っているので危険過ぎる。
死体を捕食するために、別の怪物や動物がいる可能性が高い。
残念ながら、彼らの埋葬を行うのは危険を伴い過ぎるので、放置するしかなかった。
子供のコボルトたちに案内してもらい、別の洞窟から、外に出ることができた。
コボルトたちは流浪…、住む場所を持たない、漂泊の民だったらしい。
洞窟の外は、多くの岩が苔むしている草原だった。
破壊された粗雑な雨よけと、骨になってしまったコボルトたちの死体が転がっている。
おそらく何者かに襲われて、彼らは洞窟の中に逃げるしかなかったのだろう。
突然、耳にギチギチという音が遠くから響いた。咄嗟に振り向く。
デカい。遠く丘の上から、大きなセンチピートが、土埃をあげて迫って来ている。
おそらく大きさから、成体のセンチピートだ。
「キャン!キャン!」
「逃げろォ!」
「マナギ!!?」
「予定通りだ、子供たちを頼む。いけェ!」
しゃりぃん、と音が響く。
「ついてきて! 逃げますよ!」
速い。子供と言えど、四足で駆けるコボルトだけある。
2人は姫さんよりも前方を駆けて、もう1人は姫さんに手を引かれて駆け出した。
姫さんは両足の輪を鳴らして、速度を上げている。
歩幅は狭いが、初速が違う。1200ほど数える間は、彼女の今の体力なら、素早く移動できるはずだ。
俺はグリンに飛び乗って、草蔓の手綱を掴んだ。
グリンは普段、俺が断りもなく急に乗れば、馬鹿にするように振り落として、見下してニヤッと笑うが、緊急時は優秀な軍馬よりも聡い。
「なんだぁ…、アイツ…!?」
丘の上から駆け抜けてくるセンチピートは、伝え聞く姿よりも遥かに異様だった。
片目だけ硝子の変なメガネ…、いや、複眼の片目出目金、とでも言えば良いのだろうか?
そんな明らかに、異型な形をしている。
身体にも1部半透明な部分があり、硝子と混ざったような奇怪な姿は、近づいて見ると、半端な無機的嫌悪感を掻き立てる。
「くっ…!」
大きさは幼体の倍以上違う。グリンの5倍近いかもしれない。
そう早い移動速度では無いが、多数の足による威圧感がキツい。
ギリギリまで引きつけて、手綱を横に引いて、衝突を回避した。
「なに…!?」
簡単に、避けられた?
コイツ…。こっちはほぼ眼中にない! 姫さんたちだけを、狙ってやがる!
狩りやすい獲物から狩るつもりなのか。
知性が高いのか? 厄介な。
並走して追いつくと、複眼にギョロリと睨まれた。
複眼の視線はすべて、俺の剣に注がれていた。
幼体のセンチピートを、串刺しにした、剣に。
ガチガチとまるで、陽気な楽器のように牙が鳴る。
それだけで理解した。嘲笑ってやがる。コイツは自分の子供の、仇討ちに来やがったんだ。
マズい。子どもたちは2足の生き物よりずっと早いと言っても、まだ幼い。
体力がそのものが無え。走り続けられる訳が無い。
その証拠に、姫さんにもう背中を押され始めている。
やるか。
頭がカッとなりつつも、グリンがほんの僅かに俺を見た。
わかっている。子供たちの逃走が第一だ。
「任せろ!」
切り札を、切る。
右腰の専用ケースから、右腕1つで固定具を外し、それを取り出す。
渾名の由来にして俺の切り札。試製品にして非売品。
白黃色の封蝋を、腕一本で引きちぎった。
手綱をしっかりと束ねて掴み、端を掴み木芯を回転させ。奴に向けながら、片腕1つで勢いよく引きずり出す。
瞬間、爆音。閃光。
「ギッ…!!?」
指向性爆音閃光
術式から、雷を生成する物ではない。
雷の閃光と爆音だけを、ある程度の指向性を持って、たった1度に凝縮して撃ち出す。
直接的な破壊力はほぼ無いが、優れた感覚器官を持つ者ほど、地獄の苦しみを味わう。
迷宮で手に入れた呪文の
指向性を持たない、試作品の試作品ですら。タロッキと姫さんが音量だけでブッ倒れた。いわく付きの代物だ。
一瞬の単純な光量と音量なら、間違いなく世界上位。
わざわざ増えたその複眼に、コイツはどうだ?
「ギィイイギギギギギギギギギギ!!?」
「よし! たたみかけるぞ!」
凄まじく苦しそうに、のたうち回っている。
触覚と複眼を中心に撃ち出したが、効果は抜群のようだ。
センチピートが苦しみ悶えている間に、グリンの腰後ろに手を伸ばす。
投げてよく広がるように、交差に束ねた鈎ロープ。
更に、かなり長めで丈夫な吊り梯子。
2つ吊り下げたそいつを、投げ縄の要領で、片側の多数の足に放り投げてやった。
アラクネーのように、脚1つ1つが簡素な作業ができるほど、洗礼されている脚部ならいざ知らず。
いくら脚の数は圧倒していても、片側30近い数の脚では、精密な動作ができる訳もない。
鈎ロープと吊り梯子は、無茶苦茶にセンチピートの身体に絡んだ。
一時的に動きを制限するには十分だろう。
明らかに速度が遅くなった。既に遥か後方にいる。
「あばよ。せいぜいそこで長くもがいててくれ」
子供たちが逃げている以上。戦闘を長引かせるのは彼らにとって、危険極まりない。
振り返らずに手綱を操り、姫さんたちを追って駆ける。
全員無事に、逃走することに成功した。
硝子付きのセンチピートは、非常に興奮していた。
邪魔な鈎ロープと吊り梯子を引きちぎるのに、相応の時間がかかってしまった。
爆音は触覚の感覚を完全に狂わせ、閃光は複眼の奥まで焼付き、彼は悶え苦しんだ。
獲物を、仇を取り逃がした。無様に足引きされて。
非常にイライラしながら、苔むした岩に対して噛みついている。
元々、相当気の荒い虫だ。自身の牙が傷付いても、そうでもしなければ、とても落ち着ける訳が無かった。
「くふふっ、み〜つけた♡」
ガシガシと齧っていたセンチピートの後ろから、気やすく甘ったるい声が響いた。
それは、白い者だった。
猫か狐目のようなつり目に、人外を示すような2対の大角飾り。豊かな白髪。真白の肌。
少年とも少女とも付かない容姿の、幼い矮躯。
仕立てのいい鹿角紋章のサー・コートと、フランベルジュを肩に担ぎ、ゆるり構えている。
傍らには、
白濁した片目と、疣だらけの肌。隻腕の巨漢。
隣り合えば、白い者とは2倍半近く、背丈に差があるだろうか。
こちらはボケ…っとセンチピートを見つめていた。
大きな雲が流れている様子でも、見つめているかのような仕草だった。
まるで、相手にされていない。それこそ犬猫のように。
その様子がセンチピートの堪忍袋に、酷く障って。
ぐぎいぃいいいと、腹が鳴った。センチピートの腹だ。まさしく腹の虫である。
彼は丸1日近く、獲物にありつけられなかった。
1も2もなく腹が鳴った直後に、目の前の肉に襲いかかった。
「試す? …そう。じゃ、ボクが殺すね」
二閃。たった二閃だった。
「くふふっ、1丁あがり。オサカナくん。袋広げて」
オサカナと呼ばれたホッブゴブリンは、背負っていた黒い大袋を、片手で器用に広げた。
ぐさりとフランベルジュに刺された複眼が、その中に収められる。
「直接触るなって言われてるもん。気になっても触っちゃだめだよ?」
頷くとホッブゴブリンは、未だ丸まっているセンチピートに向かって、歩き始めた。
「食べるの? なら骨で、武器でも作ろっか。毒抜きもちゃんとしなきゃね」
もう一度、ホッブゴブリンは頷いた。
彼の腹の虫も、盛大に鳴り響いていた。
地平線の彼方に、ヤツが見えなくなってしばらく。
姫さんに手を引かれていた子が転んで、俺達は徒歩に切り替えた。
毛皮があったので、転んでも擦り傷の類は無かった。
だが、毛皮のせいだろうな。俺はグリンを降りた。
人間種より激しい息切れで、へたり込み始めた子供たち3人を抱え、グリンに乗せて、歩く。
姫さんに手綱を差し出した。
「地図で確認。いるか?」
「ぜっ……、ぜぇ……、いえ……、あの丘の裏側に、街道が、見えるはず。…です」
「だな。街道近くの川辺で足跡を消す。行けるか」
「なんとか……、はーーーっ、キッツいぃ……」
痕跡を消すために匂いと足跡を、川辺を進む事で消した。
これで簡単には、追跡できないはずだ。
俺達は、リザーウッドの村を目指して歩いた。
川辺の動物、怪物には何度か遭遇したが、戦闘にはならず、夕暮れになった。
移動距離はかなり稼いだ。
おそらく、追撃される事はあるまい。
風が少し吹く夜だった。
今日は人数が多く、小さな森近くで休むので、枝を多く集め簡素な風避けを作り、その中で休んだ。
火を多く焚くかは迷ったが、子供たちは寒そうで無いし、身を寄せて、団子になって休めば、毛皮のお陰で寒くもない。
川の水を煮沸したら、消しても良いだろう。
幼いコボルトの毛はザラザラモフモフで、いつまでも抱いていたくなる。
日向のような匂いもして、大変撫で心地も良い。
姫さんの顔は、いつもよりご満悦だった。
もう少し緊張感を持ってもらいたかったが、昼間頑張ってくれたので何も言わなかった。
食べ盛りの子供達に、多く食料を分けてやりたかったが、あいにく今日、明日の朝は狩る暇が無い。
虎の子の保存食と、子供たちが煮沸してくれた水。森で見つけた樹の実。コボルトたちが持っていた、干した保存食で過ごす夜になった。
翌朝。
姫さんがグリンに乗って、リザーウッドを目指して街道を歩いていた。
先頭は俺で、子供たちを挟み、後方は姫さんたちに任せている。
子供たちは疲れた顔をしている。意思疎通が通じないのが、不安を掻き立てているようだ。
少し、人攫いのようだなと思ったが、縄で括って、引っ張って居るわけでもない。
取り違いされる事は無いだろう。多分。
街道を進むと、見慣れない谷間まで来た。奥に分かれ道が続いている。
「どこまで来た?」
「お待ちを、地図で確認します。…半分程ですね」
「ならそろそろ休もう。小まめに休息したほうが良い。子供連れだからな…」
そろそろタロッキが戻ってもおかしく無い時間だが、手伝いがいる場合は、製薬の手伝いを優先するように言い含めてある。
おそらく製薬を手伝っているのだろう。薬が無事出来ると良いが…。
「助かると、良いですね」
「ああ…」
「わふっ…?」
「なんでもありませんよ。…紙切れさんは、子供、苦手ですか?」
水袋から軽く湿らせるように水を飲んでいると、姫さんが彼らを抱きしめて、頭を撫でながら聞いてきた。
撫でられた子は、心地よさそうだ。
「実は子供、あんまり好きになれなくてな。7、8人姪や甥もいるし、要らないって言わされた事もあるんだ」
「…………言わされた?」
「ひっでー話だよな、名前をまともに呼ばれないくらい追い込まれてな、そんなわけ無いのに。誰もおかしいって言わねえんだ。俺自身もだ、よっぽど俺に作って欲しく無かったんだな」
「そんな、事は…」
「そう、そんな事は無い。口だけでは、だ」
タロッキに聞かせれば、おそらく腹を立てて、故郷を焼却……。いや、消滅されかねない。
言うなら今しかないと、過去を彼女に語っている。
本音の1つとしては自業自得だし、これが俺の周囲、自身の全てと薄っぺらく語るつもりもない。
だが、口をついて止まらず出た言葉はこれだった。
全部言っちまうか。
「寄り添わず、金も出さず、手は…貸してくれたが、それでもさっさと結婚しろと、ほぼ口に出すだけ。口を動かすだけ。そんなよくある話だよ」
「口さがない、人たちだと?」
「追い込まれてな。たぶん考えて喋ってねえんだよ。何故か分かるか?」
「…………わかんない、かな?」
「空っぽ。頭空っぽのほうが、自分たちの都合の良い夢を詰め込みやすかったからだろ。都合の良い道具扱い。ってわけだ」
姫さんは絶句していた。
誰もが知っている冒険詩の1部に、よく似ている言葉だったからだ。
或いは俺の境遇についてか。
情けなく感じても良いが、別に俺自身はそこまで悲観してないんだがな。
幸せなんて、相対的な物でしかないしな。
「取り違えるなよ。あの素晴らしい龍の物語と同じ意味じゃねえからよ、付け足してる分」
「あ、そ、そうですよね。うん…」
「地元連中がそう思って、そうした訳でもない。だから恨んじゃいないが、追い込んだ事実は変わらねえんだ。………追い込まれてるから、何しても良いって、誤解するクズどもが多くてなぁ」
「だから、フリッグスに…?」
「もっと前かな。お陰で殺しも楽だった。女でな、初めて殺したのも、感謝してるよ、じゃなきゃ死んでた」
「…なるほど。納得はできませんが、理解はできました。ついでに1つ、聞いて良いですか?」
「なんだ?」
「どうして、あんな風に空を飛べるんですか…?」
「中身がほぼ無くなるのに、慣れてるからだな」
なんとなく、空を見上げた。
空の向こうに行ってしまった。今もどこか翔び続けてる気がする彼らを思う。
間違いなく狂人だった。強靭なほど狂人で、冗談みたいな男たちだった。
哀愁すら湧きもしない。乾いた笑いが漏れた。
「怒るな、だってよ。憎しみまで取り上げられた。
堪忍袋の中身まで、持ってかれてな。
中身がなくなれば、なんにも残ってねえんだ。
涙も嗚咽も、嘆きも残ってねえ。
残ったのは恐怖だけだ。
アタマでこれ分かるだけ、かなりマシだけどな。
大概は抱えきれずに俺みたいに逃げ出すか、人として狂うんだ」
人間が怖い事を自覚できないまま、空を飛んだ。
だから、俺は1度空を捨てた。
人に、獣に。戻りたかった。戻るべきだと思った。
もう遅かったが。
俺から怒りを取り上げたのは、両親だった。
言える訳が無い。姫さんにも、タロッキにもだ。
まず間違いなく、2人は報復する。
容赦なくたたっ斬る。確信できる。
なにせもう姫さんは、言わされたと聞いた時から
、ずっと剣柄を強く握りしめている。
手が真っ白になって、血すら滴り落ちそうなほど強く握りしめている。
コボルトの子どもたちも姫さんを見て、少し落ち着かなさそうだ。
1人に近寄って撫でる。心地よさそうに身を寄せてくれた。
「ここまでにしようか。痛いだろ?」
そっと彼女の右手を解こうとした。彼女は頑なに剣柄を離さなかった。
「むしろ、まだあるんですか…?」
「齢37独り身にもなると、恨み事出せば塊だよ」
「全部出しちゃえよ、もう……!」
「姫さんが剣を離してくれたらな。切られちゃ堪んねえし、子どもたちも怯えてるぞ」
はっとして彼女は剣柄を手離した。罰が悪そうに怯える子供達に頭を下げた。
「出せってんなら、女の話でもするか…」
「女性歴ですか?」
「いいや、価値観の話だ。中身が無くなる実感についてだな。
実際。綺麗な、いや、ただの女の人みても、欲しいとか、友達になりたいとかじゃなくて、どうせ意味がないとしか思えなかった。
子供とかできても不幸にする。妻になっても不幸にする。友人になっても迷惑になる。
そうとしか考えられなかった訳だ。
今でも、姫さんは絶対地元に連れてけない。できる訳が無い」
「なぜ………?」
「下に見られる。殺されるほど嫉妬される。俺が2つとない宝石を持てば、いや…、ただの宝石でも、そうされるかもな」
確信がある。姫さんには考えてみてほしい。
虐げて最底辺だと思っていた下等が、無能が。ある日突然、2つとない宝石を持ち歩く。
良いことが起きる訳が無い。周囲に祝福されるだけな訳が無い。
実際はともかく、実感はこの程度に信頼が無い。
流石に大っぴらに言えない話だが、ローグギルドに、防衛用の積立金だって払っている。
俺にとって世界中の女は宝石だった。触れて持ち歩けば、宝石ごと呪われる。宝石でしかありえなかった。
だから、手に入れなかった。
まるで、飯を食うのを拒絶する、老犬のように。
食わなければ、機能は死ぬだけだ。
正直ただ情けない話でしか無いんだがな。
情け容赦の無い、話なんだ。
「まあ結局は、戦うのを拒否した、卑怯者の末路、愚痴みたいなもんだ。誰にも寄り添わず、寄り沿って貰えず。甘ったれの戯言かな。…ただ、間が悪くて、若気の至りになっただけ。だから、そんな剣を取るほど、怒ることないぞ?」
「………………」
「タロッキには秘密で頼む。焼かれたら堪んねえし、ちゃんとアイツと、寄り添いたいからな」
「宝石は、…お嫌いですか?」
「まさか、でも、もう足りないな」
「足りない…?」
「人間だけで、たくさんな気でもある。でも足りないんだ。だから、旅をしている。だから、人間で、妖精の姫で、宝石な姫さんは、…大好きなんだよ」
身を寄せていた子供達ごと、姫さんを抱き寄せた。
彼女がもう剣柄を握らないように、手を握って。
震える手は温かくて。子供たちの1人が、慰めるように顔を一舐めしてくれた。
☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★
ここまで読んで頂き誠にありがとうございます!
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