グリードブッダ

九十九牡丹

1.強欲の悪魔

俺は悪魔。

ただの悪魔じゃねぇ、悪魔の中でも最上位種の存在、七大魔人、強欲のグリード様だ。

今は人間の…なんだっけ?バン、バーン…。

そうだ、バーンズだ。

人間のクセにこの俺と契約出来る、イカレ野郎。

まあ、こいつもうすぐ死ぬんだけどwww。


眼の前には寝床に横たわって青白い顔をしているバーンズがいた。


「…グ、グリード…」

「ハイハイ、ここにいるぜ我が契約者」


既にバーンズの目は光が失いかかっており、もう長くはない。


「…君に、最後の仕事を頼みたい…」

「おっと、アンタはもう時期死ぬ。そうしたら”対価”がもらえないんだけど?」


俺等もただ働きじゃ動かねえ。

なにかそれ相応の対価をもらわねえとな。


「…対価は、私の魂だ。」

「おっ!」

「…食うなり何なり好きにしろ。…」


人間の魂は大好物だ。

普段は死神の奴らが回収しちまうから中々食えねえが、契約への対価なら別だ。


「何、そんな大事か?」


魂までかけるとなると、死後の安らぎとかではねぇからわかんねえ。


「…ある少年の欲望を、満たしてほしい…」

「…は?そんなんでいいの?」


いや、まあ人間には恩とか言う俺達には理解出来ん物があるが、まさかこいつもそんな心持っていたとはなあ。


「なんだ、俺に合う前に命でも救って貰ったのか?」

「…いや、違う。」

「んじゃ、なんでだ?」

「…彼が、無欲だからだ」

「………ンギャハハハハハハハハハハハハ!!!!最高だぜバーンズ!!‼」


俺はもうおかしくておかしくて、涙ちょちょぎれてしまった。


「考えられても見ろよ、バーンズ!無欲な人間なんているわけないだろ!!一つ周りを見渡せば富、地位、名誉!欲望にまみれた人間ばっかだ!」

「……」

「なあに、馬鹿にはしねえぜ、契約者。ただ、後悔すんなよ?」

「…ああ」

「んで、そいつの名前は?」








「…シャーロット・カルデア」

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グリードブッダ 九十九牡丹 @tukumoBotan

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