第9話 旅は続く

 そんな1日限りの冒険を彼女と経験してから数週間後。私はすでにその街から離れ、別の場所に向けて旅を続けていた。そんな昼下がり、イヴリンから連絡が入る。


《お、お疲れ、アルマリア》

《お疲れ、イヴリン。元気してる?》

《ま、まあね。アルマリアも元気そうだね》

《私はいつでも元気だよ。イブリンはまだあの街に?》

《うん。いるよ。そろそろ戻るけどね》

《……メリーナは、どう?》

《うん。多分、魔術師を目指すのはもう無理だと思う。大魔法を使った彼女の体は、もう大魔法を耐えるほどの耐久力は残ってないよ。小魔法程度なら大丈夫だけどね》

《そっか……》

《アルマリア。彼女はあの日の一夜限りの冒険は行って良かったって思ってるんだよ。だから、もう気に病まなくて大丈夫。アルマリアは彼女にとっても正しいことをしてたよ》

《……ごめん、ありがとう》

《ううん、こちらこそ、ありがとう。――そろそろ戻るね。それじゃあ、元気で》

《うん。元気でね》


 私たちは連絡を終える。そして私は旅を続ける。風が吹くまま、想い馳せながら。

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夜空に輝く命のしずく 後藤 悠慈 @yuji4633

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