第36話 その儚げな少女、本当は大きかったんですか!?
「――と言うわけで兄上の進言は退けられたんだ」
いつものグロラッハ家の
ウェルシェが王妃オルメリア主催のお茶会で色々やらかしてから1週間以上が過ぎていた。
あの後、非公式ながら国王と王妃の名の元に関係者が集められた審議の場が設けられた。そこで自分の主張が通って無事ウェルシェとの婚約が継続となりエーリックは少し自信をつけたらしい。
「しかも僕らの婚約は父上と
実際はウェルシェの暗躍のお陰なのだが、それを知らないエーリックは胸を張った。男の子は好きな女の子には格好良く見られたいものなのである。
「これでセギュル先輩がウェルシェに言い寄ってくる事もなくなるよ」
「ホントですの!?」
報告を聞いたウェルシェは両手を顔の前で合わせて喜んだ。
そのあざと可愛いポーズで
「さすがエーリック様ですわ」
さらに男を手の平の上で転がす腹黒令嬢はヨイショを忘れない――それがウェルシェ・グロラッハである。
「いやぁ、僕は大した事はしてないさ」
実際大した事はしていない。
「そんな事ありませんわ。私とても恐い思いをしておりましたの」
しなを作って頬を染めるウェルシェの姿は客観的に見れば愛らしい。彼女にぞっこんのエーリックならなおのこと。もう鼻の下を伸ばしてメロメロだ。
「本当にエーリック様はとても頼りになりますわ」
「それほどでもないさぁ」
頭を掻いて謙遜するが、その表情はまんざらでもなさそうである。
「私、ずっと不安で不安で……セギュル様と結婚させられてしまうのではないかって……」
「そんな事は僕が絶対に許さないよ!」
強く断言するエーリックはどさくさに紛れてウェルシェの肩を抱き寄せた。
(うわっ! 柔ッ!? それに壊れそうなくらい小さな肩!?)
自分の予想を超えるウェルシェの柔らかく華奢な身体にエーリックは衝撃を受けた。
婚約者と言えども
「大丈夫、僕が必ずウェルシェを守るよ!」
「あぁ、エーリック様……」
少し強引にエーリックから引き寄せられたウェルシェは少しびくりと震えたが、エーリックに抵抗する事なく身を預けた。
(めちゃくちゃ良い匂いがする)
ウェルシェの甘い匂いがエーリックの鼻腔をくすぐる。
「はい、信じております」
瞳を潤ませたウェルシェはしなだれるようにエーリックにもたれかかると、彼女の柔らかな膨らみがぽよんとエーリックの胸に当たった。
(わッ!? ふにゃッて! 今ふにゃッて!)
どこまでも柔らかい双丘はあまりに気持ち良くエーリックの想像を遥かに超えていた。
(し、しかも、デカッ!?)
実はウェルシェ……隠れ巨乳である。
その意外に大きな膨らみの感触にエーリックの鼻の下が更に伸びてデレデレだ。もう締まりなんてどこにも見当たらない。
大人しそうな顔と華奢な肩や四肢からウェルシェは
(大きい! 柔らかい! 良い匂い! 大きい! 柔らかい! 大きい! 大きい! 大きい! 大きい!……)
そして、エーリックもまたウェルシェの戦略にハマった憐れな被害者となったのだった。
だってしょうがないじゃん……男の子だもん。
(しょ、将来これが僕のモノに……)
だが、ごくりと唾を飲み込んで視線がウェルシェの胸に釘づけなのを見るに、彼としては幸せなのかもしれない。
「も、もっとも、セギュル先輩は停学となって実家で更生中だし、他の男子生徒も怖くてウェルシェに手を出せないと思うけどね」
「嬉しい!!」
ウェルシェは感極まったようにエーリックに抱きついた。
その拍子に彼女の柔らかいが、とても弾力のある二つの山がエーリックに押しつけられてぐにゃりと歪んだ。
「――ッ!?」
そのあまりに甘美な快感に純情な男の子の頭は真っ白になったのだった……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます