第5話 見返りを求める愛



 愛しています。


 愛しています。


 私達は愛し合う運命。


 決まっているのです。


 だから近づきました。


 あなたに。


 愛を伝えました。


 逃げないでください。


 何が不満なんですか。


 ほら、素敵。


 私、あなたの為ならなんだってできた。


 人を殺す事だって、何かを盗むことだって、誰かを貶める事だって。


 あなたのために、たくさんの事をしてきたんですよ。


 あなたのために、こんなにも愛を証明してきたじゃないですか。


 だから、あなたも私を愛してください。


 え? 


 私を振るために、絶対に無理な事を言ったのに?


 え???


 何を言ってるんですか。


 そんなの嘘でしょう。


 だって、嘘だとしたら、二人の間に愛なんてなくて、私はただ無駄な事をしただけになってしまう。


 だから、そんなのは嘘なんです。


 さて、次は何をすれば、その嘘という発言をやめてくれるんですか。


 何でもしますよ。


 愛していますから。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

短い作品の短編集(リィズ版) 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ