第4話 愛してるの呪い



 愛が呪いになった。


 許嫁がしんだ。


 一週間前に。


 俺は新しい恋を探そうと思った。


 忘れたかったから。


 敵わなかった痛みを。


 でも、愛する事はできなかった。


 どんな人を見ても、彼女の存在が浮かび上がる。


「他の人を好きになるの?」


 そうののしる。


 これは呪いだった。


「一途で素敵」なんて言うけれど。そんなにいいものじゃない。


 鎖で体をしばりつけられるこれは、そんな幸福なものであるはずがない。


 だれかこの呪いをといてくれ。


 呪いのようなこの愛はすばらしくない。


 死んだ君と一緒にいたような気持ちが、全て反転していく。


 もう、積み重ねたそれは、すばらしいものではなくなってしまったから。


 

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