第45話 孤独死 part2
3年程前だろうか
姑が脳梗塞から寝たきりになり老人ホームに入所し、同じ頃に舅も認知症を発症した。
統合失調症の姑が居なくなり舅だけになって、正直、ほっとした。
この頃、舅の見守りと食事について、皆で分担すると決めた。
月曜日、水曜日は私
火曜日、木曜日は三男
週末は次男
姑が居なくなって、皆が自由に出入りすることができて、舅は、私の料理をそれはそれは喜んで食べてくれた。
舅は、お小遣いの中から曾孫にアイスを買ったり、私に姑の着物や貴金属をくれたり、何よりも舅が、初めての自由を手に入れたことが私も嬉しかった。
それが、暫くすると、舅の生活費は全て息子に管理される様になる。
それでも私と買い物に行った時は、いつも舅の好きな食べ物でいっぱいになっていた。
それから間もなく夫に言われる。
「三男が私を嫌っている、舅の介護は自分達でする事にした、もう来なくていい」
「三男が介護のことを共有する家族グループラインに義姉さんは入れたくないと言っている」
一番大変な時に、一番大変な事を
30年以上私に任せて、安穏が手に入ったら
来なくていい?
それならそれでいい!
自分達でやればいい!
私は舅を訊ねなくなった。
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