12月16日(土) 士郎


 シックにかつ愛らしく着飾った女性たちのあいだで士郎しろうはなんだか落ち着かない。人生二度めの婚活パーティまっさいちゅうだ。

 リベンジすっぞ、とけいがまたどうやったのか二人のエントリーをねじ込んだのである。たいした手腕だと士郎は思う。

「二週つづきで付き合わせちまってわりいな。三田みたが怒ってんじゃねえか?」

 と小声で訊くと、

「ぜんぜん」

 と圭も小声で返した。

「むしろあいつが乗り気だぜ。ぜったい成功させろってきょうも気合い入れさせられたよ」

 三田というのは圭の彼女だ。女子柔道部のエースでふたつ下の彼女はファイトスタイルと同様攻めにつぐ攻めで圭を落とした。

 お付き合いも五年を越えて、そろそろ結婚の話が出てもいい頃だ。


 そんな彼女持ちの圭が婚活パーティに参加するのは、この場にいる女の子たちに失礼なんじゃないかと士郎は心配してしまうが圭はまったく気にしない。


「おまえがきっちりカップル成立させりゃあぜんぶチャラさ。幸せな女がこんなかからひとり生まれるわけだからな。士郎とくっつきゃぜったい幸せになるって、おれが保証してやる」


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