12月5日(火) 明莉
「よかったと思うよ、ぶっちゃけ」
そう言って
碧は大学のときからの友人だ。親友ってほどじゃあないけどなんとなくウマが合うから、ときどき会ってグチをこぼし合う。
ふたりでよく行く居酒屋は、ばかさわぎするやつもいるけど席と席のあいだが区切られているからわりと落ち着いて話すことができる。あとちょいコワモテのお兄さんが店を仕切っててナンパ野郎どものウザいからみをシャットアウトしてくれるのがいい。話してみるとけっこう温和な人なんだけどね。
「定職ついてないしさあ、まーそれは明莉がいいってんならべつにいいけど、すぐ明莉に手ぇ上げるのはそりゃダメでしょ。って思ってたよホントは。いまだからゆうけどさ」
明莉はイカゲソを齧って聞かないふりをしている。
うしろの席がすごい盛りあがっててわらい声がうるさいし。なんでわらってんだか知らないけど。
明莉の破局をめでたいって言う碧は
それでも好きだったんだよって思うけど言わない。それにいまでもきっと好き。
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