045.ヤマタノオロチ★

 ヤマタノオロチがどうやって産まれるのか。

 古龍殿からヤマタノオロチを含む龍種は卵生で、ちょうど今の時期が産卵期だと教えていただいた私はヤマタノオロチの生息地へと向かった。

 そこには無数の小さな卵があった。

 鶏卵より小さいな?

 え?ヤマタノオロチだよな?


 そっと見守っていると、卵の一つに日々が入り、中からいくつも頭が飛び出してきた。

 その頭は殻を食べ、殻がなくなると、隣の卵にも首を伸ばして食べていた。

 兄弟の共喰いする種類なんだな。

 いや、それより、これって……頭が八つあるだけのミミズじゃね?

 え?ヘビですらないサイズなんだけど。


 え?これで龍の一種なの?マジで?


 思わずそっとつまんで手に乗せちゃったんだけど、火や毒を吐くでも噛み付いてくるでもなく、なんか手にスリスリして懐いてる感じなんだけど。

 手から下ろしたら必死で後ろをついてくるし。

 まさか刷り込み……?!

 龍種なのに?共喰いはする癖に?

 いやどうなってんのヤマタノオロチ!

 それ以前に、このサイズのままならともかく、大きくなってもついてこられたら困る!

 どうしたもんかな……

 古龍殿に預けられないかな……頼んでみるか……

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